ちわぷ〜の書評ブログ🐶

アラサーの物書き愛犬家の書評ブログです🐶

あの”富良野塾”をモチーフにした芥川賞受賞作「しんせかい」

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

ちわぷ〜は昔のドラマの雰囲気が好きで、自分が生まれる前の作品とかもよく観ているのですが、今までのベストは「北の国から」です^ ^

今回は「北の国から」で有名な脚本家、倉本聰先生が1984年〜2010年の長きに渡り、脚本家・俳優を養成していた”富良野塾”をモチーフにした小説をご紹介いたします☆

「しんせかい」山下澄人(著)新潮社

あらすじ

高校卒業後、フリーターをしていたスミトは、少し気になる女の子を置いて、北海道へ旅立つ。そこでは俳優や脚本家を目指す若者達が、大ヒットドラマを手掛けた有名脚本家の”先生”の元、自給自足の日々を送っていた…

知られざる富良野塾での生活を描く 芥川賞受賞作

北の国から」シリーズが好きな方はたくさんいると思いますが、脚本家である倉本聰先生が私財を投げ打って富良野塾という脚本家・俳優の養成所を開いていたのを知らない方も多いのではないでしょうか?

(「Dr.コトー診療所」の脚本家、吉田紀子さんら、多くの卒業生が活躍中)

 

北の国から」の映像からもお分かり頂けるかと思いますが、富良野大自然の中、一同で共同生活を行い、なんと一期生、二期生は自分達の住むところから作り始めたという…まるで黒板五郎の様ですね(^ ^)

単に脚本家や俳優の技術を習得するだけではなく、活きた学びを実践する養成所だった様です。

まとめ

 

著者の山下澄人さんは富良野塾の二期生だったそうで、主人公の名前もスミト…

もちろんフィクションなのである程度脚色はされているかと思いますが、富良野塾での生活が垣間見得て興味深かったです(^ ^)

 

ランキングに参加してみました!もしお手間じゃなければ、ポチっとして頂けますと幸いですm(_ _)m

 

こんな人にオススメ

北の国から」ファンで富良野塾にも興味のある方

北海道を舞台にした小説を読みたい方

共同生活に興味のある方

 

刑務所で因縁の同級生と運命的な再会「海峡の光」

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

仕事で函館に行く予定が、新型コロナの感染拡大の影響により中止となってしまいました(T . T)

仕方なくGLAYを聴きながら、函館ご当地グルメのやきとり弁当をマネた焼き鳥丼を作ってみたりと函館気分で過ごしております★

そんなこんな?函館気分を更に盛り上げるべく、函館を舞台にした小説を読んでみましたので、ご紹介させていただきます☆

「海峡の光」辻仁成(著)新潮社

あらすじ

青函連絡船の客室係で、函館少年刑務所の看守を務める斉藤。ある日、刑務所に新しい囚人が入ってくる。それは少年時代に斉藤をいじめていた、同級生の花井だった…

青函連絡船の廃船が迫った函館を描く、芥川賞受賞作

時代背景としては、青函連絡船の廃船直前、昭和末期の函館を描いております。

 

刑務所ものなのでそんなに函館の街の話は出てこないのかな〜と思いきや、

函館少年刑務所には日本で唯一の船舶訓練教室があり、元青函連絡船の客室係だった主人公の斉藤がその船舶訓練教室の副担当官になり、この教室の受講を希望した同級生の花井と再会する…

 

という流れなので、海での訓練の場面や青函連絡船の話がかなり出てくるので、

ちゃんと函館を感じる事ができました!

 

刑務所もの特有の閉塞感は薄く、読んでて息苦しさは感じませんでした!

 

とにかく出会い方が衝撃的で、服役囚でありながら花井のカリスマ性がスゴ過ぎて…

ストーリーの展開に最後まで惹きつけられました。

まとめ

冷静と情熱のあいだ」の辻先生の作品だけあって、やはり感情の描写が繊細で、言葉の連なりが心地よく染み込んできます。

 

コロナが収まってまた仕事で函館に行く機会があれば、青函連絡船はもうないけど、今度はフェリーで行ってみようかな〜と思いました!

ハチクロファンなので、船で北海道というのは密かな憧れです(^^)

 

ランキングに参加してみました!もしお手間じゃなければ、ポチっとして頂けますと幸いですm(_ _)m

こんな人にオススメ

函館を感じられる小説を読んでみたい方。

青函連絡船など船に興味のある方。

冷静と情熱のあいだ」など辻先生のファンの方。

 

 

うら若き女性郵便配達人が盗み見たのは、連続殺人事件への招待状…「郵便配達人 花木瞳子が盗み見る」

 

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

本日はライトノベルなのですが、「最後の医者」シリーズやエッセイ「最後の秘境 東京藝大〜天才たちのカオスな日常〜」などでヒットを飛ばす、二宮敦人先生を知るきっかけとなった作品をご紹介いたします*

「郵便配達人 花木瞳子が盗み見る」二宮敦人(著)TOブックス

あらすじ

郵便配達人の花木瞳子は、立川の町で日々奮闘している。

瞳子はある日、どうしても気になる配達先の封書の中身を盗み見てしまう。

そこには「あなたは誰ですか?」というメッセージが…

そんな中、立川で猟奇的な連続殺人事件が起きてしまい…

珍しい女性郵便配達人が主人公のシリーズ!

街中でカブにまたがって配達している郵便配達人の方って男性のイメージが強いですが、本作では若い女性の郵便配達人が主人公となっております!

 

郵便がトリックになっているミステリーというところが斬新で、郵便にまつわる面白いネタの数々でとても興味深くシリーズ全4作読破させて頂きました!

個人的には2作目の年賀状の話が出てくる「花木瞳子が仰ぎ見る」が好きでした^^

 

主人公の瞳子ちゃんのキャラクターが良くて、仕事終わりに行きつけのこじんまりとしたおでん屋さんで一杯やっているオヤジ臭いところも好きでした(笑)

 

シリーズ物で順番に読んだ方が良いので、気になる方は一作目の「花木瞳子が盗み見る」から読んでみてください!

「最後の医者シリーズ」の人間讃歌のイメージが強い二宮先生ですが…

シリーズ累計40万部を突破して映画化企画進行中という「最後の医者」シリーズのイメージが強い二宮先生ですが、実はホラーだったり、猟奇的な殺人犯を描いたミステリーを数多く執筆されております!

 

余談ですが、ちわぷ〜は以前に二宮先生のトークショーに行った事があり(しかも気合入れて最前列 笑)

サイン会にも参加したのですが、こんな人があんな猟奇的な小説を書いてるの!?とびっくりするくらいの好青年って感じの先生で、メッチャ真摯な方で驚きました(笑)

 

図書館だったのですが、ちょっと変わった造りの建物で二宮先生がトークショー前に職員の方に色々質問なさってる姿が印象的でした。

そうゆう何気ないところから作品って生まれてくるんだな〜って…

 

「最後の医者」の文庫本にサインを書いて頂いたのですが、メッチャ上手な絵も添えてくださって感激でした!「最後の医者」もいずれご紹介させて頂ければと思います(^ ^)

まとめ

本作は二宮先生の中ではホラー要素は弱めなのでご安心ください!

郵便をトリックに使ったミステリー小説という認識で大丈夫です!

こんな人にオススメ

郵便ネタに興味のある方。

「最後の医者」シリーズなどから入った二宮先生のファンの方で、他のシリーズも読んでみたいという方。

山郷で過ごすノスタルジーなひと夏「夏美のホタル」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

突然ですが、夏休みにお出かけするなら海派ですか?山派ですか?

今回は山派の皆さんが気にいるであろう、山里で過ごすひと夏の物語をご紹介させていただきます☆

海派の方もお付き合い頂けたら幸いです(笑)

 

「夏美のホタル」森沢明夫(著)KADOKAWA

あらすじ

写真家志望の大学生、慎吾は彼女の夏美と一緒にツーリングした房総半島の山里で、古びたよろづ屋「たけ屋」を見つける。

そこで支え合い暮らしているヤスばあちゃんと地蔵さんに惹かれ、慎吾と夏美は「たけ屋」の離れで、ひと夏を過ごす事になる。

有村架純主演 廣木隆一監督で映画化

本作は有村架純さん主演で映画化されており、監督も良作を多数世に送り出している廣木隆一監督との事で目に触れた映画ファンも多いのではないでしょうか?

映画版では夏美が主人公に変更されていたり、映像化に伴い若干の設定の変更もあったりしたので、映画版はもう観たよ〜という方でも原作を新鮮な気持ちで読めるんじゃないかな〜と思います^ ^

まとめ

川遊びの天才、地蔵さんやヤスばあちゃんとノスタルジーでほっこりする時間を過ごす事ができて、切なくて心温まる作品です。

なかなかお出かけできない世の中になってしまいましたが、気分だけでも山里へトリップしてみてはいかがでしょうか?

 

海派の方は、同じ著者の「エミリの小さな包丁」もオススメです!

            ↓過去に取り上げさせて頂きました。

chiwawatan.hatenablog.com

こんな人にオススメ

心温まる小説を読みたい方

有村架純ファンで原作も読んでみたい方

山里や川遊びなどに思い入れがある方

 

映画撮影所を描いた浅田次郎の隠れた傑作『活動寫眞の女』

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

今日は浅田次郎先生の知られざる名作をご紹介いたします*

京都の太秦撮影所が舞台になっている小説で、あの知る人ぞ知る名監督、山中貞雄も登場する作品ですので、映画ファンにもオススメできる小説です!

「活動寫眞の女」浅田次郎(著)双葉社

あらすじ

昭和44年、大学進学に伴い京都の下宿で暮らす事になった「僕」は、友人の清家の紹介で太秦の撮影所でアルバイトを始める。

ある日、清家は撮影現場で出会った女優に一目惚れするが、彼女は三十年前に亡くなっていた…

浅田次郎の知られざる傑作

浅田先生の場合、映画化されたり大ヒットを飛ばした作品が多過ぎて、

浅田作品の中ではあまり話題に上がらない本作ですが、浅田先生の代名詞とも言える、切ないファンタジー作品になっています。

鉄道員」や「地下鉄に乗って」が好きな方は読まなきゃ勿体ない作品になってます

 

三十年前に亡くなった女優の幽霊が出てきますが、背筋が凍るホラー…

というわけではないので、お化けが怖いよーという方もご安心ください(^ ^)

映画ファン必見!日本映画創成期の話がかなり出てきます!

本作が忘れもしない浅田作品との出会いで、この作品を読んだ後に浅田先生に一生付いていくと勝手に誓ったちわぷ〜ですが(笑)

 

この作品を手に取るきっかけとなったのは、戦争さえなければ黒澤明さえ超えたであろうとまで言われる、あの天才監督、山中貞雄を描いているからでした。

(ここで「おぉ〜!」となる方、本当に映画マニアですね^ ^)

 

山中監督のシナリオ集を買い揃えたり、京都に行った際には山中監督の墓前に手を合わさせて頂いたりと自他共に認める山中監督マニアのちわぷ〜も大満足な内容でした!

(ちなみに、鳴滝組の話は出てきませんので、梶原金八ファンの方はあしからず。これこそマニアック過ぎて大半の方は分からなくてすみません^^;)

 

山中監督の時代はサイレント映画からトーキー映画(音声ありの映画)へと移り変わっていた時代の狭間なので、日本映画創世記に興味のある映画ファンは、色々とその時代のウンチクが出てくるので、それだけでも楽しめちゃうんじゃないかとおもいます!

まとめ

あまりその時代の映画業界には興味がないよ〜という方もご安心ください!

丁寧に説明されてますし、小難しい話は出てこないので、予備知識まったくなくても十分楽しめます(^ ^)

映画業界を描いたお仕事小説ではなく、単純に切ないファンタジー作品、という認識で大丈夫です!

 

ランキングに参加してみました!もしお手間じゃなければ、ポチっとして頂けますと幸いですm(__)m

こんな人にオススメ

切ないファンタジーを読みたい方

浅田作品のファンでマイナーな作品も読んでみたい方

撮影所を舞台にした作品に興味がある方

山中貞雄など、日本映画創世記に興味のある方

屋上に縁切り神社がある不思議なマンション「わたしの美しい庭」

 

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

今日は「流浪の月」の凪良先生の作品で、縁切り神社のある不思議なマンションに集った人々を描く、優しい気持ちになれる小説をご紹介いたします☆

「わたしの美しい庭」凪良ゆう(著)ポプラ社

あらすじ

屋上の庭園の奥に縁切り神社がある不思議なマンション。そこで一緒に暮らす神社の宮司の統理と小学生の百音。

統理と百音は親子ではなく、百音は統理が別れた妻が再婚して生んだ子供だった…

縁切り神社が繋ぐ不思議な絆

屋上に縁切り神社があって、前妻の子供を引き取って育てているという設定に惹かれて手に取りましたが、とても温かい気持ちになれる作品でした。

 

統理と百音のマンションには様々な想いを抱えた人々が集ってくるのですが、断ち切れない過去を抱えつつも一歩前に進んでいく姿には励まされる人も多いのではないでしょうか。

 

統理と百音の隣に住む、統理の同級生、路有との3人の会話にはほっこりさせてもらいました。

統理が百音を引き取る際に言ったセリフには、思わず感動しました(泣)

まとめ

どの作品も文章を読んでいると不思議と心地良い気持ちになってくる凪良先生の作品。

「流浪の月」が映画化され話題になってますが、「流浪の月」は読んだけどこっちはまだ〜という方は、こちらの作品も一緒にいかがでしょうか?

こんな人にオススメ

優しい気持ちになりたい方

「流浪の月」など、凪良先生のファンの方

36歳未婚。彼氏なし、コンビニバイト歴18年…『コンビニ人間』

 

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

今日は芥川賞を受賞した、異色の小説をご紹介いたします✴︎

コンビニ人間村田沙耶香(著)文藝春秋

あらすじ

大学を卒業しても就職せずに、コンビニのアルバイトで生計を立てる36歳未婚の恵子。彼氏ができた事もなく、コンビニバイト歴は18年。それでも、コンビニだけが恵子を満たしてくれた。

ある日、婚活目的の男性、白羽がアルバイトとして恵子のコンビニに入ってくる。

一体、”普通”とはなんなんだろう?

 

現代の空気感に合う名作。第155回芥川賞受賞作

高校時代コンビニでアルバイトをしていた、ちわぷ〜にはクリーンヒットな作品でした。コンビニバイト経験者だったら懐かしい気持ちになる細かい描写が多々出てきます。

かなりリアルに描いているので、今や日常生活に欠かせないコンビニの裏側が知れて、今後コンビニに行くのが楽しくなるんじゃないかな〜と思います。

 

子供の頃、「みんなちがって、みんないい」(金子みすゞ)と教わりながらも、いつしかみんな同じな”普通”の生き方を選択していき、そこから外れてしまうと変わり者として遠ざけられてしまう同調圧力

様々な解釈ができる作品だと思います。

まとめ

この作品では何度も何度も”普通”とは何か?と考えさせられます。

移り変わっていく世の中で”普通”とは一体なんなんでしょうか?

 

ランキングに参加してみました!もしお手間じゃなければ、ポチッとして頂けますと幸いですm(__)m

 

こんな人にオススメ

一気読みできる小説をお探しの方

コンビニの裏側を知ってみたい方

かつてコンビニに携わるお仕事をされていた方

考えさせられる小説をお探しの方