ちわぷ〜の書評ブログ🐶

アラサーの物書き愛犬家の書評ブログです🐶

父の目線から見た宮沢賢治の生涯「銀河鉄道の父」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

今日は「銀河鉄道の夜」でお馴染みの作家、宮沢賢治

ではなく、その父を主人公とし、父の目線から宮沢賢治の作家人生を描いた斬新な作品をご紹介いたします☆

銀河鉄道の父」門井慶喜(著) 講談社

あらすじ

数々の傑作を世に残し、国語の教科書にも取り上げられる、あの宮沢賢治

童話の印象と同じ様な人柄を人々は連想するのではないだろうか?

しかし、父親から見た宮沢賢治は一味違う。

家業の質屋は継がず、父に金を出してもらい新たな事業を試みたり…

巷のイメージとは違い、人間味溢れる宮沢賢治と賢治を見守り続ける父の愛情の物語。

宮沢賢治のイメージが変わる一冊です

皆さんは宮沢賢治にどの様なイメージを持っているでしょうか?

ちわぷ〜は、やはり「銀河鉄道の夜」のイメージで、穢れなき真っ直ぐさを持った方なんだろうな〜と思っていたのですが、本作を読みイメージが丸っ切り変わりました!ある意味とっても純粋な方なんだろうなとは思うのですが(笑)

 

前置きが必要かなと思いますが、あくまで史実を基にしたフィクションであって、宮沢賢治人間性を否定する様な作品ではありませんので、ご安心ください!

「こうゆう風な解釈もできるよね〜」といった感じなので、宮沢賢治ファンの方も気分を害す様な事なく楽しめるんじゃないかな〜と思います(^ ^)

まとめ

宮沢賢治の作品は知ってても、宮沢賢治の歩んだ人生ってなかなか知られてないんじゃないかな〜と思います。質屋の後継だったって事も今作を読んで初めて知りました!

 

ましてやその父の人生はなおさら知られてないと思います。

これまた賢治に負けず劣らずの波瀾万丈な人生で…

今までクローズアップされていなかった部分に光を当てた斬新な作品だと思います。

 

この作品を読むと賢治の人間味溢れる部分にも魅力を感じて、改めて宮沢賢治作品を手に取りたくなるのではないかと思います^_^

こんな人にオススメ

親子の物語を読みたい方

宮沢賢治ファンの方

門井先生のファンの方

今はもう空き家となった家に眠る、時代の記憶「背高泡立草」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

田舎あるあるなのですが、炎天下の夏の日、耳を澄ませば絶対にどこかから草刈機で草を刈る音が聞こえてきます(笑)

ふと、その音を聞く度に思い出す作品がありますので、ご紹介させてください☆

「背高泡立草」古川真人(著) 集英社

あらすじ

大村奈美は、今はもう空き家となっている母の実家の納屋の草刈りの為に親族と共に長崎県のある島へ向かう。

 

カヌーに乗って現れた少年や、戦後、故郷の朝鮮へ帰ろうとして乗り込んだ船が難破し、島の漁師に助けられて島にたどり着いた人々、捕鯨が盛んだった江戸時代、その腕前を認められて蝦夷に渡り漁をした漁師…

 

今はもう空き家となったその家には、様々な記憶が埋もれている…

知られず埋もれる時代の記憶

今作では草刈りをしている現代の話だけではなく、一家にまつわる長い歴史を紐解いているのですが、私が一番印象に残ったのは捕鯨の話でした!

 

クジラで小説といえば「白鯨」をイメージしがちですが、本作では江戸時代の日本の捕鯨という事で趣が違い、興味深かったです^ ^

筆者の読ませる力でグイグイとクジラとの戦いがイメージできて…

 

よくあんな巨大な物に立ち向かおうとするな!と昔の人のファイティングスピリッツに恐れ入るばかりでした(笑)

 

ここからはかなり脱線しますが…

 

集団でとはいえ、クジラとか、もっと遡ればマンモスとか、

一体誰が最初にやり始めたのか分かりませんが、

あんな恐ろしい物を仕留めて食べようぜ!と最初に発想した人は正気の沙汰とは思えませんね…

 

もちろん生きる為って事もあったんでしょうけど、当時の武器なんてたかが知れてますからね…危険度MAX です!

 

一人か二人くらいは、やってる雰囲気だけ出して、いのちだいじに戦法で逃れてる人、絶対にいたと思うんですけど、気持ちメッチャ分かりますね^ ^

まとめ

もしも万が一、クジラかマンモスか選んで戦え!と命令されたと仮定して、この本を読んだ人らで投票したらマンモスの支持率が圧倒的になるのではないか…

 

話のほんの一部であるクジラの部分だけを熱弁してしまいましたが、それほどクジラとの戦いの描写に引き込まれました!

*本作にマンモスは一切登場しません(笑)

こんな人にオススメ

話題作を読みたい方。

古川真人さんのファンの方

捕鯨に興味がある方

 

人生のどん詰まりに流れ着いた人々が集まる長屋「心淋し川」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

本日は優しい気持ちになれる、直木賞受賞を受賞したオムニバス作品をご紹介いたします☆

時代小説のご紹介ですが、小難しい専門用語とかは一切ありませんので、安心してください笑

「心淋し川」西篠奈加(著) 集英社

あらすじ

江戸、千駄木の一角に「心淋し川」という名の小川があり、そのどん詰まりに寂れた長屋が立ち並んでいた。

澱んだ心寂し川と同じ様に、人生のどん詰まりに流れ着いた長屋の人々が織りなす人間ドラマ。

心に染み渡る西篠奈加の優しい物語

数々のじんと染み渡る時代小説を手掛ける西條先生ですが、ちわぷ〜はダントツでこの作品が好きですね!

 

一つ一つの物語全部好きですが、特に一つの長屋に何人ものお妾さんを囲っているという話があるのですが、もう設定からして衝撃的に面白かったです!

いわゆるB専の方に集められたお妾さんなので、全員ブサイクという設定笑

それでいて最後はジーンと感動させられてしまいました…

まとめ

時代小説特有の難しいセリフは出て来ないし、学校の授業みたいに眠くなってくる様な時代背景の解説もないし、本当に何の知識もなくすんなりと読めると思います!

時代小説好きにはもちろんの事、時代小説初心者の方の入門編としてもオススメの作品です!

 

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こんな人にオススメ

優しい気持ちになれる短編集をお探しの方

今まで敷居が高いな〜と敬遠していた時代小説初心者の方

時代小説好きで市井物の短編集をお探しの方

殺人鬼の命に10億円!?『藁の盾』

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

本日はヤンキー漫画の金字塔「ビー・バップ・ハイスクール」の漫画家で、小説家、映画監督と多方面で活躍している木内一裕先生の小説家デビュー作をご紹介いたします☆

あらすじ

殺人鬼に愛する孫娘を殺害された大富豪が、その殺人鬼の命に10億円の懸賞金を懸ける。日本中の人々に狙われる中、福岡から東京まで殺人鬼の護送任務を受けたSP達。

狂気と化した国民達から犯人を護り、無事に東京へ送り届けられるのか?

そして、こんな人間を護る意味なんて、本当にあるんだろうか・・・・・・

凶悪殺人犯の盾とされたSP達の葛藤

SP達に与えられた任務は殺人犯を護る事…こんな人間を護る意味がどこにあるのかSP達は何度も葛藤し、読み手側も何度も何度も考えさせられます。

こんな人間なら殺しても構わないでしょ?と懸賞金を狙って命を狙う人々の多いこと、多いこと……

殺人鬼の命を通して、正義とはなんなのかを問い掛けられます。

大沢たかお主演で映画化

2013年には映画化され、カンヌ国際映画祭にも出品されました。

映画化に際して登場人物の性別が変わっていたりなどアレンジが加わってますが、小説には小説の、映画には映画の良さがあると思います。

映画版の良さとしては原作でも印象的な新幹線のシーンで、あれ新幹線の中ってこんな感じだったっけ?と違和感を感じ調べたところ、日本国内では新幹線を使用した撮影が困難だった様で、なんと台湾にまで行って台湾の新幹線を使用し撮影したとの事!

ガッツを感じますね。鉄道マニアが聞いたら泣いて喜びそうです。

まとめ

小説版ではより深くSP達の内面の葛藤が描かれています。

ノンストップで物語が動き続け、一気読み必至の作品です。

木内先生の小説は以前にもご紹介させて頂きましたが、こちらの作品もオススメです☆

               ↓

異色のハードボイルドメルヘン!?『神様の贈り物』 - ちわぷ〜の書評ブログ🐶

 

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こんな人にオススメ

息もつかせぬハラハラ小説を読みたい方

ビーバップ世代でマンガを読んでいた方

大沢たかおさんなど出演者のファンで映画を観て楽しめた方

あなたの心のメロディは?「一曲処方します」

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

今まであまりライトノベルは読んでこなかったのですが、最近知人にオススメされて読破したシリーズがありますので、ご紹介させて頂きます*

「一曲処方します。〜長閑春彦の謎解きカルテ〜」沢木褄(著)TOブックス

あらすじ

不思議な力を持つ心療内科医の長閑春彦は”人の心の音楽”を聴く事ができる。

その曲を手掛かりに、患者達の悩みや不安を癒してゆく。

長閑が力に目覚めたきっかけには、悲しい出来事があった…

不思議な魅力を持つ長閑先生の魅力

ライトノベルらしくどのキャラもしっかりと立っているのですが、とりわけ主役の長閑先生が魅力的に描かれているので、全3作品だれずに読む事が出来ました。

ミステリー要素もアリです。

こんなお医者さんいたら良いな〜って感じの癒し系です。

 

長閑先生が開業する「のどか音楽院」←心療内科です。

所在地は四谷の上智大学周辺との事で、作中にも四谷界隈の話が出てきますので、四谷周辺に通われていた方だと懐かしいかも知れませんね^ ^

まとめ

あまりライトノベルを読まない、ちわぷ〜でも楽しめたシリーズでしたので、ライトノベルを普段あまり読まないよ〜って方にもオススメできます!

 

これを機会に読書の幅を広げていこうかな〜と思いました!

興味のある方は1作目の謎解きカルテから順に読んで見てください^^

こんな人にオススメ

音楽を題材にした小説を読みたい方

四谷周辺に思い入れのある方。

ライトノベルが好きな方

 

なんて事ない日常がきらきら輝く心のメガネ「きらきら眼鏡」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

一時期、西船橋で働いていて、今でもたまに仕事で船橋界隈に行くのですが、

船橋を舞台にしているという理由だけでなんとなく手に取ったのですが、思わず感動してしまった小説がありますので、ご紹介させていただきます☆

きらきら眼鏡森沢明夫(著)双葉社

あらすじ

飼い猫を亡くしてしまい、落ち込んでいた明海は古本屋で惹かれた一冊の本を手に取る。中には名刺が入っており、本の気に入ったフレーズにはアンダーラインが引かれていて、明海も共感できた。

明海は気になって名刺のアドレスにメールをし、年上女性のあかねと出会う。

目に映るすべての物を前向きに捉えるあかねに惹かれていく明海だったが…

日常の何気ない幸せに気づける作品

森沢明夫作品にハマるきっかけとなった作品です。

 

森沢作品全般に通じますが、本作も人の優しさを感じられる物語なので、他の作品を読んで気に入った方は楽しめると思うのですが、「夏美のホタル」が好きな方には特にドンピシャといった感じのかなり切ない話になっております。

 

映画化もされているので、読書は苦手という方はそちらもオススメです!

まとめ

見た目がかなり毒々しくて結局飲まず終いだった船橋ご当地ハイボール

小松菜ハイボールが魅力的に描かれていて、いつかチャレンジしてみようと思いました!(と言いつつ、あれを生で見たらまた尻込みするんだろうな〜^^;)

 

船橋の至る所が描かれており、そういった部分も個人的に懐かしく楽しめました。

心のデトックスを求めている方にオススメの作品です。

こんな人にオススメ

切ない小説をお探しの方

心のデトックスを求めている方

森沢先生のファンの方

船橋に思い入れのある方

 

サーカスに弟子入りしてしまう中年太りの精神科医「空中ブランコ」

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

先日、『イン・ザ・プール』という作品をご紹介させて頂きましたが、

本日はその精神科医・伊良部シリーズの第二弾をご紹介いたします*

オムニバス作品なので前作とは話が繋がっておらず、本作から入っても違和感無く読めます!シリーズ二作目「空中ブランコ」は、直木賞受賞作の良作です♪

空中ブランコ奥田英朗(著)文藝春秋

あらすじ

風変わりな精神科医、伊良部の元には飛べなくなったサーカスの空中ブランコ乗りなど様々な悩みを抱えたこれまた個性的な患者達が集ってくる。

空中ブランコに興味を持った伊良部は自分も出たいと巨漢にもかかわらず、サーカスの練習に通い始めて…

今作も伊良部先生大活躍!直木賞受賞作

今回も伊良部先生はやりたい放題やってくれ、笑わせてくれます!

表題作の他、義理の父のカツラをむしり取りたくて仕方ない衝動に駆られる患者を描いた「義父のヅラ」など、全5作品収録されており、個性豊かな患者さん達の抱える悩みをユニークに解決していきます。

空中ブランコ」から読んでも大丈夫!

空中ブランコ」には興味があるけど、シリーズ物だと最初から読まないといけないからめんどくさいな〜という方でも大丈夫!

この作品から入っても違和感なく読めると思います^^

内容も直木賞受賞作だけあって前作「イン・ザ・プール」に負けず劣らずの良作コメディです!

まとめ

直木賞受賞作で話題になったので「空中ブランコ」は読んだけど、「イン・ザ・プール」は読んでないよ〜という方は同じテイストできっと気に入るので、是非シリーズ一作目の「イン・ザ・プール」もオススメです(^ ^)

イン・ザ・プール」を取り上げた過去記事です。

           ↓

chiwawatan.hatenablog.com

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こんな人にオススメ

笑える小説をお探しの方

伊良部シリーズに興味のある方

イン・ザ・プール」を読んで気に入った方