こんばんは、ちわぷ〜です!
最近はなかなか仕事が忙しく、短編集や、読み切りやすい分量の作品やマンガを中心に読んでいるのですが、
それでも流石は読書の秋。
忙しかろうと何だろうと、青春物も読みたいし、ミステリーも読みたい!とわがままな読書欲が溢れてきて困っています…
本日は、そんなワガママに色々と楽しみたい!という方にもオススメの青春感が強いミステリー作品をご紹介いたします☆
「ソロモンの犬」道尾秀介(著) 文藝春秋
あらすじ
平塚の大学に通う、秋内は同級生の智佳に好意を抱いているが、なかなか恋心を打ち明ける事ができず、友人の京也がアシストしてくれても関係は発展せずもどかしい日々を過ごしていた。
ある日、犬を散歩していた近所に住む大学教授の一人息子、陽介と行き合う秋内たち。
しかし、陽介は犬に引きずられて交通事故に遭い、亡くなってしまう。
事故を目撃した秋内には疑問に思う事があり、すぐ近くに住んでいる変わり者で有名な動物生態学に詳しい助教授の間宮の元を訪ねる…
新感覚の青春ミステリー!
緊張と緩和のバランスが非常に良くて、ミステリーの謎も楽しめ、青春物としても楽しめる、二度美味しい作品です^ ^
登場人物のやり取りがスゴイ面白くて、謎を追う中で息の詰まる展開でも、思わず笑ってしまう様なところもあり、良い箸置きになっていて、飽きずに謎解きを楽しめます!
秋内の恋の模様を描いている青春パートは軽いタッチで描かれてゆきますが、それでも事故の謎の存在感が大きく、青春と事故という異質な物が共存している何とも言えない不思議な感覚が道尾ワールドという感じで、個人的には非常に面白かったポイントです!
変わり者の助教授の間宮のキャラクターがかなり効いていて、狂言回しとコメディリリーフを兼ねた様な役回りなのですが、絶妙な立ち位置で秋内たちに関わっていき、道尾先生の歴代の作品の中でも屈指のナイスキャラになっています!
まとめ
若い方を中心に、なぜかクセが強く入りにくそうな印象を持たれ、食わず嫌いが多い道尾先生の作品ですが、本作はとても読みやすく道尾作品入門としてもオススメです!
青春感を強くし過ぎて、ミステリーとして破綻してしまう作品も多い様に思いますが、道尾先生の本作は完成度が高く、その上で自分のカラーもきっちりと上乗せされていて流石だな〜と思いました^ ^
ダークなタイプの道尾先生の作品を読んでみたい方は、以前取り上げたこちらの作品がオススメです☆
こんな人にオススメ
青春感のあるミステリー小説をお探しの方
「向日葵の咲かない夏」など、道尾先生のファンの方