こんばんは、ちわぷ〜です!
出張と出張の狭間で、久しぶりにのんびりとした時間を過ごしています!
時間ができたので、ずっと読みたかったけど長編で手を出しにくかった作品を読破しましたので、ご紹介させていただきます!
2021年の直木賞受賞作になります☆
「テスカトリポカ」 佐藤究(著) KADOKAWA
あらすじ
メキシコのトップに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織に襲撃され兄弟を失い、インドネシアのジャカルタに潜伏する。
日本人の臓器ブローカーと出会ったカサソラは、新たな臓器ビジネスを実現させるために、日本の川崎に向かう。
カサソラが日本へやってきた事によって、それぞれの運命が交差する…
直木賞&山本周五郎賞W受賞!
大きな賞を立て続けに受賞した事により話題になった本作。
しかし、裏社会を描いたクライムノベルなので、気にはなっていても手を出しにくいという人も多いのではないでしょうか?
かくいう私もその一人でした。
本作に限らず、佐藤先生の作品は裏社会を扱う事が多く、ワルがたくさん出てきますが、そういった作品にありがちなハリウッド映画さながらな派手なドンパチで盛り上げる!みたいな事はなく、
クライムノベルでありながら、様々な要素が絡み合い、深い知性を感じる作品となっております。
本作でいうと、古代アステカ文明(タイトルもこれにちなんだ物になっています)
アステカの旧暦に則り、全五十二章で描かれる重厚な物語。
臓器ブローカーを通して描かれる医学。
様々な事情から、行き場の無い子供の問題…
裏社会以前に、表の社会をきちんと描かれる作家さんだなと思いました。
メキシコ、インドネシア、そして日本とスケールの大きい作品になっていますが、無理やり風呂敷を広げているわけではなくて、きちんとしたストーリーを紡いだ結果スケールの大きい物になった、という印象です。
まとめ
読み応えのある長編で、目の肥えた方にもオススメできる力作です!
外国のエピソード、古代アステカ文明の事など難しそうに思われるかも知れませんが、とても分かりやすく書かれているので、事前知識がなくとも楽しめるかと思います(^ ^)
佐藤先生の作品は以前取り上げたこちらの作品もオススメです!
短編集で内容も読みやすくなっていて、佐藤先生作品の入門にぴったりになっています!
こんな人にオススメ
直木賞受賞の話題作を読みたい方
古代アステカ文明に興味のある方
佐藤先生のファンの方