こんんは、ちわぷ〜です!
本日は時代小説ですが、少し変わり種。
「走れメロス」的な風味もある作品で、なんの事前知識がなくてもすんなり読める、
読みやすい作品になります☆
「赤猫異聞」 浅田次郎(著) 新潮社
あらすじ
明治元年の暮。大火事により、江戸の伝馬町牢屋敷の重罪人の三人は解き放ちになる。
三人の内、一人でも戻らなければ、戻った者も死罪。三人全員が戻れば無罪という条件を出される。
果たして三人は戻ってくるのか?自由の身になった三人が向かった先は…
赤猫とは?
赤猫とは放火や放火魔を指す言葉です。
当時は長屋で住居が密集し、木造で燃えやすかったので、
火事が頻繁にあり、そしてすぐに燃え広がって大変な事になっていた様です。
余談ですが、昔、時代劇の舞台で火消し(消防士みたいなもの)の物語を観た時に、燃えてる家の屋根に立ってド派手な纏(まとい)を振り回していた姿が衝撃的で、
作中どんな風に消火をしていたとかの説明がなかったので違和感を感じて当時の事を少し調べた事があったのですが、
衝撃だったのは、当時の消火活動とは水を掛けて火を消す事ではなく、家を叩き壊してこれ以上燃え広がらない様に食い止めるという事だったみたいで!
あのド派手な纏は、ここで火を食い止めるぞ!という目印だったらしく、
当時はそれだけ火事に抗う術がなくて、江戸に暮らす人々は大変だったろうな〜としみじみ思いました!
まとめ
初期にピカレスク小説を書いていた浅田先生らしいワルに、
中期以降の浅田作品の泣かせる作風が見事にマッチした、人情味溢れる作品でした!
浅田作品は泣かせる作品が好きで、まだ浅田先生の初期の作品を読んだ事が無いという方にも、初期の雰囲気が味わえるのでお試しでオススメの作品です(^ ^)
浅田先生の作品は以前オススメしたこちらの作品もオススメです!
寒い冬に心温まる作品になります☆
こんな人にオススメ
浅田先生のファンの方
江戸時代(明治元年の話ですが)の火事に興味のある方