こんにちは、ちわぷ〜です!
個人的に、合う作品、合わない作品とかなりはっきりしていると感じる江國先生。
しかし、ぴたっと合う作品を読んだ時のあの感覚が忘れられず、合わないなぁと思った作品の後も必ず手に取ってしまう。
そして今回はメチャクチャ合う作品でした☆
「神様のボート」 江國香織(著) 新潮社
あらすじ
草子は母と共に暮らしており、日本中を転々としている。
それは、母の葉子がかつて愛し合った草子の父を捜しているからだった…
”神様のボート”に乗った二人は、果たしてまた巡り合う事ができるのだろうか…
二人の醸す空気感に癒される!
なぜ合う、合わないがはっきりしてしまうのか?
一つの要因ですが、合わないと感じる作品の時はけっこう文章がみちっと詰まっている印象。
今回は文章はあまり詰まっていない感じ。だけど、語り足りないわけではなく、行間にステキ過ぎる空気が漂っていて、物語の世界に入り込み浸る隙間がある印象。
江國先生でこの作品好きだなぁという時は大体こういう雰囲気。
いなくなった人を求めて転々としながら生きていく母と娘。
時を経て娘は少しずつ成長してゆく。
母の葉子って、見ようによれば賛否の分かれる生き方をしている様に思います。
草子の父を愛して求める生き方はピュアな様に見えて、それだけではなく、
自分の人生に娘を巻き込んでいってしまっている。
けど、それでも何だかその生き方が胸にくるものがあり、最後は何とも言えない気持ちにさせてもらいました!
草子と葉子の関係性が主の静かな物語。
だけど、葉子の気持ちは冷めているわけではなく、静かに燃え盛っている感じで、その熱が草子に伝わり、草子はまだ見ぬ父に思いを馳せる。
一人の男性を失った二人の女性は、母と娘という違う立場でその影響を受けながら生きてゆく。
時と共に草子は自発的に様々な事を想う様になる。
葉子が草子に父の話を伝える時の語り口が何とも言い難い優しさに満ちていて、かけがえのない思いが伝わってくる。
まるで3人で過ごしている様な空気感。
ドラマ化されていて、宮沢りえさん、藤木直人さん、森川葵さんなどの豪華出演者との事で、そちらも気になる。
読後感間含めて不思議な空気感。
とても好きな作品でした☆
まとめ
母と娘、夫であり父親である男性との再会の為に各地を転々とする物語。
何とも言えないステキな空気感を内包していて、行間で語ってきて切なくなる良作。
やはりこれだから江國香織作品はやめられない☆
江國先生の作品は、以前ご紹介したこちらの作品もオススメです☆
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何とも言えない切なさを感じる物語をお探しの方
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