こんにちは、ちわぷ〜です!
前回の直木賞の候補作にメチャクチャ気になる作品がありましたので、読んでみました!
時代小説を普段読まない人でも全然大丈夫!
この世で一番孤独だったと言っても過言ではない、実在した徳川の将軍と、それに寄り添って生きた人々の人生を描いた感動作です☆
「まいまいつぶろ」 村木嵐(著) 幻冬舎
あらすじ
後に徳川幕府9代将軍となる家重は、生まれながら半身に麻痺を負い、その言葉は誰にも理解できなかった。
将軍の跡取りとして生まれながらも、家重の醜い姿を”まいまいつぶろ”と蔑む者さえいる。
この世で一番孤独な男の言葉を一人だけ理解できる男がいた。
いかにして、世界で一番孤独な男は、将軍の座についたのか…
久しぶりに涙が枯れ果てた名作!
初めての作家さんでしたが、完全にクリーンヒットでした!
学校で習って、歴代将軍全員言える人とかいましたが、私もその口(笑)
とはいえ、徳川幕府の将軍でメジャーな人物って何人か。
その名を知ってはいても、家重の人生を知っている人は少ないでしょう。
家重の父は八代将軍吉宗で、この人は暴れん坊将軍で有名なお方。
そして、家重の言葉を唯一聞き分けられる男、大岡忠光は、かの有名な大岡越前の遠縁!
時代物好きにはエモい二人の縁者にこんな深いドラマがあったとは!
なんとなく知ってはいたエピソードではありましたが、想像以上!
時代背景としては、吉宗は今で言うインフレを抑え込むのに必死(桜吹雪は見せません笑)
吉宗は紀州藩主でありながら、将軍の座に座った男。そこで跡目騒動なんて困ってしまう。幕府もだいぶ弱りきってるし。
だから家重に跡を継がしたい気持ちはあれど、なんせ色々不自由な男だしそれでは家臣も納得しないしなぁ。どうしよう…
そこにとても耳の良い男が現れて、家重の口の代わりを務める…
という状況。
もう終始感動の嵐でした!
かたつむり=まいまいの様に、重い荷を背負いながら将軍の道を歩んでゆく家重。
孤独な男はたくさんの人々に支えられ、この世の幸せを知ってゆく。
そして、家重を支えている様で、共に生きてゆく事によりどこか家重に支えられている様な感じになってゆく人々…
なんとなく、フェリーニの「道」を見た時の様な気持ち。
こういう作品は本当に好きで、この文量なら普段は一気読みですが、心が揺れ動き過ぎてクールダウンに何度か散歩を挟まなければなりませんでした(T . T)
なんて言うかジャブが一発一発重い感じ。ヘタすればお涙頂戴のしつこい感じになるけど、うまく処理されていて作者の意図は感じない。
左を制する者は世界を制すって感じで巧みに連打してきて、それでいてとどめのストレートはあえて抑えるセンスの良さ。それくらいの描き方なので、物語のピークにちゃんと感情移入する間があってちょうど良い。
波乱に満ちた人生を時代小説としては短い文量で過不足なく描き切る実力。
文句なしの良作でした^ ^
次回作も好きそうな題材だったら絶対読みます!
まとめ
徳川9代将軍とそれを支える人々の波乱に満ちた人生を描く、人生讃歌。
個人的に、今年の時代小説の中ではベストの作品です!
特に戦が起きるとか、小難しい事が起きているわけではなく、ストーリー自体はかなりシンプルですので、徳川歴代将軍1人も知らないよ〜という方でも大丈夫そうです(笑)
ぜひ時代小説だと構えず読んでみてくださーい☆
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