ちわぷ〜の書評ブログ🐶

アラサーの物書き愛犬家の書評ブログです🐶

夢のかけらもない現実を舞台に描く、ダークなおとぎ話!「おとぎのかけら 新釈西洋童話集」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

夏頃からハマり続けて、コンスタントに読む様になった千早先生。

今回は西洋童話をモチーフにした、なかなか魅惑的な物語をご紹介いたします!

いつもの千早先生の作品とは、ちょっぴり趣が違いました☆

「おとぎのかけら 新釈西洋童話集」 千早茜(著) 集英社

あらすじ

お金持ちの静は、何故かカフェなどのバイトを転々としているフリーター。

静は、ある指輪がはまる女性を求めていた…

(「金の指輪」シンデレラがモチーフ)

 

上記含め、童話をモチーフにした7つの物語。

夢も減ったくれもない現実を童話仕立てに!

あらすじに選んだシンデレラをモチーフにした作品がメチャクチャ面白かったです!

千早先生らしからぬ終わり方で、希望的にも絶望的にも取れる様な気がして、

あぁ、これはおとぎ話だなと思いました^ ^

 

現代的に西洋童話をアレンジした作品集なのですが、他に

ヘンゼルとグレーテル」「みにくいアヒルの子」「白雪姫」「マッチ売りの少女」

「いばら姫」「ハーメルンの笛吹き男」

を題材にした作品が収録されております!

 

また、あとがきによると題材にした作品とモチーフに関しては、千早先生が選んだわけではなく、編集者の方が選んだとの事。次のお題が何なのか分からない状況で書き進めていったらしいです!

 

もしかしたら、それが今までの千早先生の作品とは違うカラーが出た要因になっているのかも知れませんね^_^

 

一番他の千早作品と違うな〜と感じた点は、男性達がみな情けない事(笑)

千早作品お馴染みの、性格の悪いイケメンや、イケオジは出てきません(笑)

というか、「シンデレラ」以外けっこう破滅的な物語ですので、イケメンが入り込む余地なしといった感じでした!

 

女性向けの作品が多い千早先生ですが、この作品に関しては男性にもオススメです☆

まとめ

現代を舞台に、西洋童話をアレンジした作品で、作り方などが変わっていていつもの千早先生とは違う趣の作品で、男性にもオススメです!

 

ただ、もちろん千早先生ですので「白雪姫」とか、ディズニーみたいなキラキラした物を想像して読むと痛い目をみます(笑)

全体的にダークな印象です☆

 

「シンデレラ」が個人的にドンピシャで好きで読んで良かった作品でした^ ^

 

色々千早先生の作品を読んできましたが、何だかんだ一番の代表作、直木賞受賞作が未読なので、今度はそれを読んでみようかな〜と思いました☆

 

千早先生の作品は、以前オススメしたこちらの作品もオススメです☆

chiwawatan.hatenablog.com

こんな人にオススメ

現代を舞台にした、ダークなおとぎ話を読みたい方

千早先生のファンの方

 

本当に好きなら、やめないこと…「レインコートを着た犬」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

ヒートテックのネックウォーマーを買ったらビーニー(ニット帽)的な使い方ができると書いてあって、説明通りにやってみたんですが、当然ネックウォーマーなので頭頂がガラ空きで寒いんですけど、これで使い方あってるんでしょうか(笑)

そして、ビーニーにする意味ってあるんでしょうか(笑)

 

普通にネックウォーマーとして使いますが、ネックウォーマーとしてはなかなか優秀で重宝しています☆

 

癒しのシリーズ月舟町物語!本日は三部作の三作目、完結編です(^ω^)

読んでいて特に順番通り読まなくとも大丈夫なのでは?と感じてはおりますが、

一応、一作目はこちらになります☆

chiwawatan.hatenablog.com

「レインコートを着た犬」 吉田篤弘(著) 中央公論新社

あらすじ

月舟シネマの看板犬、ジャンゴは密かに笑う犬を目指している。

犬は笑っている様に見えても、笑うという感情自体がない。

 

雨と共にジャンゴの周囲でちょっとした事件が起きてゆく。

心温まる癒しの物語。

本当に好きなら、やめないこと。

今作も心温まる物語に癒されました!

そして今回の主役はなんと犬のジャンゴ!

 

このシリーズは、本当にちょっとした物語で、何か大きな出来事が起こるわけではないのですが、

読み終わって次の日目覚めた時になんとなくちょっと心が軽くなってるといいますか、よしもとばなな先生に通ずる部分で、さりげなく救ってくれてるな〜と感じるシリーズです(^ω^)

 

優しい言葉が多いシリーズですが、本作で一番心に残った言葉は、

 

「本当に好きなら、やめないこと。逆に云うと、やめちまうってことは、なんだかんだ云っても、気持ちがさめたってことだ」という言葉。

どんなシチュエーションかはネタバレになっちゃうので伏せますが、非常に心に残るやりとりでした☆

まとめ

心温まる月舟町三部作の完結編で、まさかの犬が主役の作品です!

通して読んでみた結果、順番通りじゃなくても良い様な気がしますが、

もし全部読むつもりなら、やはり順番通りが良いかもですね!

 

一作目の記事は冒頭に、二作目の記事は下記に貼っておりますので参考になれば幸いです(^ ^)

chiwawatan.hatenablog.com

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月船町シリーズのファンの方

心温まる作品を読みたい方

吉田先生のファンの方

 

生きることは、誰かの光になること…「ライオンのおやつ」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

本日はお久しぶりな作家さん!

いつもひっそりと読ませて頂いている、他の方のブログで取り上げられていた作品で、気になったので真似して読んでみました☆

「ライオンのおやつ」 小川糸(著) ポプラ社

あらすじ

雫は若くして余命を宣告され、瀬戸内海の海を望むホスピス、ライオンの家へやってくる。

そこでは毎週日曜、入居者の思い出のおやつを食べられる”おやつの時間”があり…

命があるから、今日がある。

優しい文章が大好きな小川糸先生。

ただ、本作に関しては何だか重そうな題材でしたので、読もうかどうか迷っていましたが、他の方のブログを読んでこれなら読めそうと思い、読んでみました^ - ^

 

もちろん命を扱っている作品ですので、軽いという事はないのですが、心洗われる、優しい気持ちになる作品でした!

 

ライオンの家にやってくる入居者たち、それを迎えるマドンナ達、(おばちゃんだけど、本人がそう呼んでもらいたがっているから、それで良し)

タヒチ君やボランティアスタッフ、それぞれに人生があり、読後感は何とも言えない余韻がありました。

 

色々と食にまつわる作品を書かれている作家さんみたいで、おやつの時間の描写、色々なレパートリーのお粥、タヒチ君が作ってるワイン、などなど、ただ単においしそうなだけではなくて、物語にちゃんと寄り添っていて良かったです!

 

醍醐味の語源になったという蘇の話は初めて知りました!それでまたその話が深くて…

 

たくさんの人を見送っていくマドンナの人生が気になる…

ぜひマドンナ主役の作品も書いていただきたいなぁ〜

 

ホスピスというもの自体あまり詳しくはなかったのですが、考える良いきっかけになる良い作品でした☆

まとめ

重そうな題材ですので躊躇われる方も多いかも知れませんが、温かい気持ちになる作品ですので、その点はご安心ください!

 

文章は簡潔で読書慣れしていない方にも読みやすく、心に入り込んでくる優しい文章です。

 

小川先生は他にも食に重きを置いた作品を書かれてらっしゃるので、また他の作品も読んでみたいと思います☆

 

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ホスピスに興味のある方

心洗われる物語を読みたい方

小川先生のファンの方

麗しき、女処刑人…「イノサン-Rouge-」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

ぎっくり背中になり、楽しみにしていた盛岡での仕事が先延ばしになってしまった私ですが、来週には名古屋・岐阜に仕事で行くかも知れません!

 

訪問場所の都合で雨天延期、一泊でかなりタイトなスケジュールですが、岐阜は初めて!今度こそ行ける様に、そして自由時間は短いですが、色々と見れる様に岐阜方面を特に調べてます^ ^

 

1日目…関東から岐阜に移動→岐阜で仕事終え次第、できればちょこっと散策してから、名古屋に移動して会食→名古屋泊。

2日目…三重よりの愛知の外れで仕事→帰京

というスケジュール!

 

ホテルは朝ごはんがおいしいので、前泊まったセントメインが良いのですが、どうなる事やら…

 

今回は続編になりますので、前作が未読の方は以前ご紹介したこちらの記事からお読み頂けますと幸いですm(_ _)m

フランスに実在した処刑人の美しくも儚い物語。今回は女処刑人も大活躍です☆

chiwawatan.hatenablog.com

イノサン-Rouge-」全12巻 坂本眞一(著) 集英社

あらすじ

前作を経て、シャルルは処刑人一族の長として君臨していた。

その妹、マリーはベルサイユで自由に生きていたが、ある日初恋の人が殺害され、兄と同じ道を突き進んで行く事になり…

奥深きフランス革命の世界

「ベルばら」とは対極に、処刑人を通してフランス革命の闇を描いた作品。

今回は、妹のマリーが大活躍!この手のパターンですと、やはりオスカル様を連想される方も多いかも知れませんが、マリーはあくまで女性として破天荒な生き様をしております!

 

前作にも通じる話ですが、絵がとってもキレイ!この美しさが逆になんだかおぞましくなってくる!

あと、今作のマリー・アントワネットは個性的!

なんか西郷どんみたいな眉毛だけど、それはそれで可愛らしく魅力的(笑)

まとめ

前作を読まれた方は是非引き続き読んで頂きたい作品です!

前作よりもちょっと残酷な描写は多めですが、実在した処刑人の物語である点は非常に興味深いです。

 

マリーの様な女処刑人の話は流石にフィクションだとは思いますが、オスカル様とかこの時代の作品で女性が男っぽく活躍する事って多い印象なので、もしかして元ネタみたいな物はあるのかな?

 

ちょっと興味を持ったので、調べてみたいと思いま〜す☆

 

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前作のファンの方

フランス革命に興味がある方

坂本先生のファンの方

ひとり旅に出ると日常が輝き始める…「ひとり旅日和」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

本日は初めての作家さん!

ネットニュースで気になった作品を読んでみましたので、ご紹介いたします!

これを読むときっとあなたも週末一人旅をやってみたくなる☆

「ひとり旅日和」 秋川滝美(著) KADOKAWA

あらすじ

24歳の日和は、人見知りで職場の人間関係がちょっぴりうまくいっていない。

ある日、進められるがまま熱海に日帰り一人旅をしてから、一人旅の面白さに気づき、週末になると出かける様になり、少しずつ日和自身も前進していき…

熱海、仙台、金沢、福岡、水郷佐原!

こちらの5ヶ所が本作で日和ちゃんが旅をした場所です!

けっこう人気なシリーズらしく、もう6冊出ているとか!

 

人気な理由も頷ける作品でした。そこまで深い中身が詰まった作品ではないのですが、旅を通して成長してゆく日和ちゃんの姿が微笑ましくて、

また肝心の旅に関しても、良い意味で行き当たりばったり!

 

旅系の作品って、色々その土地の魅力を伝えたいが故に逆に詰め込みすぎちゃって押し付けがましいプレゼンになっちゃってたりしますが、本作は控えめな日和ちゃんの控えめな一人旅。

 

真似して実際に行ってみるも良し、控えめ女子の控えめ一人旅を傍観するも良し、

個人的に一人旅はお手のもので、仕事の都合上日本全国をけっこう回ってきて、本作に出てきた場所に関しては全部行った事があったのですが(佐原は本当に一瞬だけでしたが(^_^;))

 

日和ちゃんの旅する姿を見ていると、こういうのも良いな〜、とほっこり読めました☆

まとめ

控えめな24歳の女子が一人旅に目覚めるシリーズで、これを読むときっとあなたも一人旅の魅力に目覚めてしまう!

地味旅と言ったら地味旅だし、中身が薄いと言われれば反論の余地はないのですがなんかこの地味さが気に入りました(笑)

 

2作目は函館が出てくるらしく、半年後に仕事で函館に行く可能性があったので、とってもタイムリー!(ではない)

なので、読んでみたいと思います^ - ^

 

旅を通して日常がちょっぴりキラキラしてくる様な、人気になってるのも頷けるシリーズでした☆

 

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定年間際の看守が追う謎とは…「看守眼」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

本日は久々に横山秀夫作品を読んでみました^ ^

超重厚なミステリー短編集!なかなか無い高レベルな作品でした☆

「看守眼」 横山秀夫(著) 新潮社

あらすじ

刑事になる夢が叶わず、看守として勤め上げた定年間際の近藤。

近藤は、ある未解決事件を解き明かす謎を追っていて…

(「看守眼」)

 

表題作含めて、6つの短編を収録。

アラサーになり、横山秀夫の良さに気づいた!

横山先生の作品は本当に久しぶり!学生の頃に何冊か読んだり、映画化された物を見たりしてました!

当時も良いな〜と思っていたのですが、大人になってから読むとより一人一人の人生の深さに気づける様になり、より沁みました(>_<)

 

本作を読むきっかけになったのはネットニュースで、どなたか忘れてしまいましたが、ミステリー作家の方が本当に面白いミステリーを紹介するみたいな企画のものを読んで、そこで本作が紹介されてた事がキッカケです!

 

もう一冊は奥田先生のミステリーを上げていて、感性が合いそうだな〜と思い読んでみました!(なのに肝心のその先生の作品は名前忘れちゃって読めない笑)

 

文章も簡潔でみっしり詰まっているわけではない、けど中身はみっちり詰まってる!といった感じで、匠の仕事でした(^ω^)

 

一番好きだったのは表題作。看守になると刑事になるチャンスが生まれるって事は初めて知る情報でした!超良質な作品で、短編じゃもったいないくらいでした(^ ^)

 

次に好きだったのは「自伝」!

ライターがあるお金持ちの自伝を書く事になるのですが、突然とんでもないカミングアウトをしてきて…という話で、メチャクチャ引き込まれました☆

まとめ

一つ一つの作品のクオリティが高いミステリー短編集で、横山先生ならではのしっかりとした人間ドラマの作品です!

 

大人になって横山先生の人間ドラマが沁みる感じになってきたので、また近く他のも読んでみようと思います☆

 

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こんな人にオススメ

人間ドラマがしっかりとしたミステリーを読みたい方

横山先生のファンの方

 

富士塚に登った話と、都会の高校生「いつか記憶からこぼれおちるとしても」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

キーボードが届くまでの間、仕事も順調だったので、映画を見たりサッカーを見たり次の仕事の準備に史跡を回ったり、早々と一人忘年会(単なる家飲み)をしたりと、のんびりと充電してました☆

富士塚なるものに初めて登ってみて、江戸時代の文化は面白いな〜と思いました

(^ω^)

 

 

本日は久しぶりの江國先生です(^^)

「いつか記憶からこぼれおちるとしても」 江國香織(著) 朝日新聞社

あらすじ

ある日、電車の中で痴漢らしきものに遭遇する。

しかし、それは年上の女性で…

 

都会の高校に通う女子高生たちの連作短編集。

色々と抱えている高校生たち

一見普通で、表面上は仲良くしている女子高生たちですが、実は各々色々抱えていて…

っていう感じのストーリーで、淡い恋もあり、意外に重い物を抱えている人もいたりって構成で、それは良かったです!

 

ただ、江國先生の作品と考えると、他の作品と比べてちょっと物足りない…

「すいかの匂い」とか、高レベルな作品を先に読んでしまうとどうしても…

また別のものを読んでみたいと思います☆

まとめ

他の江國作品と比べるとって基準ですので、決してレベルが低い訳ではありません!

気になる方は是非読んでみてください(^ω^)

 

江國先生の作品は、以前オススメしたこちらの作品もオススメです☆

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都会の高校生を描いた作品を読みたい方

江國先生のファンの方