こんばんは、ちわぷ〜です!
今年も早いものでもう年末…
年末年始、故郷に帰省する方も多いのではないでしょうか?
本日は、瀬戸内海に浮かぶ、一つの島を舞台に描かれる、連作短編集をご紹介させていただきます☆
「望郷」 湊かなえ(著) 文藝春秋
あらすじ
本土の市に吸収合併される事になった、人口2万人の瀬戸内海の白綱島。
駆け落ちして島を出ていった姉が有名な作家となり、式典に来賓として参加して、故郷を思う作文を読んでいる。
一体、姉は今更なんのために帰郷したのか…
(「みかんの花」)
瀬戸内海に浮かぶ一つの島を舞台に描かれる連作短編集。
様々な想いを抱え島に残った者、島を出ていった者の心情を丁寧に描くミステリー作品。
”島”というモチーフ
瀬戸内海の島を舞台に描いた作品だと以前取り上げさせていただいた「島はぼくらと」みたいなイメージなのかな?と思いながら開いたのですが、
本作は湊かなえ先生らしいミステリー作品、現代社会における離島の問題などを中心に描いた「島はぼくらと」とは違い、島という密室ともいうべき閉鎖社会を描きつつも、ミステリーとしての面白さに重点を置いた印象です。
しかし、島という装置を利用してミステリーを作っているといった作為的な印象はなく、バックグラウンドでしっかりと島に生きた人々の想いを感じる事ができるので、短編集でありながら一つ一つの作品が骨太です。
気になって調べてみたところ、湊かなえ先生も瀬戸内海の島出身の様で、もしかしたら湊先生の島への思いも作品に反映されているのかも知れませんね☆
まとめ
良質なミステリー短編集で、故郷に対して色々と考える機会になる作品です。
個人的には一本目の「みかんの花」が一番好きで、冒頭のシュールな入りから後半のミステリーに入っていく感じが好きでした!
「みかんの花」の作家、「雲の糸」のミュージシャンと、著名になった出身者が島に帰郷する構成の作品が二つあり、
もちろんフィクションだしミステリーなんですけれども、こういったところは湊先生も感じるところがあったのかな〜と思う様な描写もあり、個人的には、今までの作品の中で、一番湊先生の人間味を感じた様な気がしました。
島を舞台に描かれる作品は、以前取り上げさせて頂いたこちらの作品もオススメです☆
ランキングに参加してみました!もしお手間じゃなければ、ポチッとして頂けますと幸いですm(__)m
こんな人にオススメ
故郷が恋しくなった方
湊かなえ先生のファンの方
良質な短編集をお探しの方