こんにちは、ちわぷ〜です!
本日は初登場の作家さん!
今年の本屋大賞にノミネートされていたのですが、あらすじ的に本屋大賞っぽくなかったので逆にとても気になってました☆
「黄色い家」 川上未映子(著) 中央公論新社
あらすじ
花は、かつて、お世話になった人が事件を起こし、裁判をしたという記録をふと見つける。
かつての仲間と連絡を取り、久しぶりに再会する事に。
二人は、何かが露見をする事を恐れていた。
かつて、訳ありの少女たちが、親元を離れて三軒茶屋のスナックに集まっていた。
少女たちは、少しずつ引き返せない道を歩んでいってしまい…
構成の切り口がとても新鮮だった!
よくお名前は伺う先生でしたが、何となく今まで読まずでした。
簡単に言っちゃうと、周りの大人がダメすぎて孤立していた訳あり少女達が集まって、
集まった先の大人達もダメダメで、悪に染まってゆく…みたいなお話。
主人公の少女が、みんなでいるために何としてもお金をと背負い込んでしまう。
その姿、純粋さが後々色々と効いてくる…
他の作品を読んだ事がないのでいつもどんな感じの作風の先生かは分からないんですが、サスペンスとして構成の仕方が面白かったです!
この手のサスペンスを現代を舞台にやろうとすると色々と無理が出てきちゃうのですが、過去の物語としてやる事によりキチンと成立しています。
後はこの題材で少女達というのがとても新鮮でした。
ネタバレになるので細かくは言えないのですが、ストーリーの流れ自体は一昔前の洋画でけっこうこのパターンあったなぁと言った感じで、クライムサスペンスとしては王道なのかな?
男性が主人公のものでこのパターンはけっこうタイトルが思いつく。どれも名作。
けど、少女が主人公になっている事でだいぶ印象が変わってくる。
上記の主人公である花の純粋さが、だいぶ胸にチクチク来るという不思議な味わい。
説明セリフがどうしても長くなりがちな題材だけど、それを根っからのワルみたいな男性が語ると、ワルなのに口数多いのはダサいなぁ〜と感じちゃいガチなんですけど、女性同士の会話の中だとそりゃあ話すよねぇという感じですんなり入ってくるというのは新たな発見。
本屋大賞にノミネートされたのが意外な感じの題材でしたが、なかなか読み応えのある長編をしっかり読ませてくる辺りに著者の方の実力を感じました。
この手のクライムサスペンスってテンポに逃げがちで、じっくり見せなきゃいけない様な描写も淡白だったりしがちですが、キチンと心情を描いているのはとても好印象。
そして何より冒頭の描き方が面白い。えっ、どういう事!?っていう衝撃から始まり、食いつけられた状態で読む事をスタートできました。
ミステリアスなワルのイケオジ
主に女性を中心としたお話ですが、推しキャラは男性。
えっ、これ何て読むのっ?て苗字で、最初は多分ルビ振ってたと思いますけど、随所随所で出てくる感じなので、何て読むのか途中で忘れちゃって、その状態で最後まで読んでましたが(笑)
マジでミステリアスなワルなのと、言葉選びの感じ、それと作中で最後に出てきた時のあの少ない会話の行間に色々ありそうな深み。
ミステリアスなワルなイケオジ、歳を重ねて若干の渋さを醸し出すも、まだまだ醸し出しきれずほんのちょっぴりだけ若かりし頃を引きずっていそう、でもそれをあまり表には出さない。
これはモテそうだなぁという感じの男性。なんて読むのか知りませんけど(笑)
ミステリアスなワルなイケオジって、三拍子揃いすぎ。
イケオジの部分ってあんまり強調されていなかったから私が勝手に脳内変換しちゃっただけかもだけど、きっとこの人はイケオジはず(笑)
なんかこの人主役の物語とか出てきたら読みたいなぁと思いました☆
まとめ
女性を主人公にしたクライムサスペンスで新鮮味がある作品。
題材的に好みが分かれそうだし、けっこう胸がチクチクする感じなのと大人達の不甲斐なさに何だかなぁという気分になりがちですので、読み手は選びそうですが、
とても実力のある先生でしたので、また気になった作品があれば読んでみようと思ってます☆
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こんな人にオススメ
女性が主役のクライムサスペンスを読みたい方
川上先生のファンの方