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日本でありながら立ち入れないその島には、今もまだ一万人が眠る…「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

今日は戦時中に広島に原爆が落とされた日。

広島の原爆関連は仕事で調べた事があったので色々と知っていて、この日になると時が経っても胸が痛くなりますね…

 

そんな今日は、広島関連ではありませんが、戦争関連のノンフィクション。

 

硫黄島からの手紙」で知られる、硫黄島の戦いの遺骨収集にまつわるノンフィクションが話題で、よくオススメで目にしていたので、この機会に読んでみました。

硫黄島上陸友軍ハ地下ニ在リ」 酒井聡平(著) 講談社

内容

硫黄島遺骨収集のボランティアに4度参加した筆者が綴る、一万人の遺骨が見つからない事に対する”真実”。

一万人の遺骨が未だ見つかっていない現実

硫黄島の日本側戦死者は約2万人との事。

それが何故なのか、今現在の硫黄島はどんな様子なのか、真実に迫っていくかなり骨太な内容でsy。

 

硫黄島は民間人が立ち入る事はできず、行く事すらかなり大変。

そんな中、遺骨収集ボランティアとして飛び込んだ筆者の方の熱量を感じます。

 

そして、まだ約1万人の遺骨があるはずなのになかなか見つからない。

 

硫黄島の戦いを知らない方でも分かる様に書かれているので、事前知識が無くとも問題は無いと思います。

 

ググって頂くと分かる様に、硫黄島は多くの方がピンと来ない様な場所にある、本当の本当に絶海の孤島に浮かぶ島という感じ。

そんなところで何故これだけの戦いがあったのか、超簡単に説明すると、

 

硫黄島というのは日本にとっても、米軍にとっても重要な拠点で、

この界隈で滑走路がある島というのは硫黄島だけ。ここを手中に収めれば、日本本土を空襲しやすくなるので、アメリカとしては何としても欲しかった。

 

一方、日本軍側としては本土決戦に向けて、急速に準備を整えていた状況で、1日でも長く米軍を足止めしたい、という考えがあり、硫黄島に地下壕を張り巡らせて持久戦に持ち込んだ…

 

日本軍の生存者は、たった1000人ほど。映画「硫黄島からの手紙」を見た方だと、あの激戦でそう聞くと意外と多い様に感じるかも知れませんが、

日本軍の95%の方が亡くなったそうで、そうなるとたった5%の生存者の証言をかき集めても実像は見えづらく、それが遺骨収集が進まない一因となっているそうです。

 

どちらかといえばアメリカ側の方の資料が多く残っているため、それに沿って進めていくのですが、何とも言えない気持ちになります。

 

そして驚く事に、遺骨収集の為に使うスコップは、なんと当時の日本軍が残していった物を使っている!

 

色々衝撃的な話が多い本でしたが、個人的にはこれが一番の驚きでしたね。

当時、日本軍が地下壕を掘る為に使っていたスコップで、現代の人々が遺骨収集の為に土を掘り返す…

なんとも言えない気持ちです。

 

海軍と陸軍では給与も物資も違くて、それが硫黄島という辺境の孤島でも差があった話、サトウキビの話なども興味深かったです。

 

そして硫黄島といえば、栗林中将。

クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」では、渡辺謙さんが演じていました。

映画同様にやはり温かい人柄であったと生存者の証言が残っていました。

 

かなりの混乱状態で、周囲に生存者が少なく(いない?)

栗林中将の最期についてもはっきりとした事は分からず、もしかしたらまだ硫黄島に眠っているのでは?という話でした…

 

日本でありながら、立ち入る事ができない硫黄島

現在も戦時中のままの姿。

とても考えさせられるノンフィクションでした。

まとめ

硫黄島の遺骨収集ボランティアに4度参加した筆者が、現在の硫黄島の真実の姿を綴ったノンフィクション。

かなり骨太な内容で考えさせられました。

 

立ち入る事もできない硫黄島の事って、ほとんど報道されず知りえないので、とても貴重なノンフィクションだなぁと思いました。

 

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こんな人にオススメ

硫黄島の戦いに興味のある方

硫黄島の現在の状況を知りたい方