こんにちは、ちわぷ〜です!
今年の夏は樋口有介先生の青春ミステリーにハマり過ぎて、余暇の全てを捧げていると言っても過言では無い状態なので、暑い暑いと言われてますが、読書に勤しむ私は室内であまり夏を感じておりません(^◇^;)
今回は小笠原諸島、父島が舞台!
離島の青春ミステリーという、なかなか斬新な作品でした☆
「海泡」 樋口有介(著) 東京創元社
あらすじ
2年ぶりに父島に帰郷した大学生の洋介は、夏休みを過ごす事になる。
ずっと変わらない様に見える父島だが、2年の月日で変わってしまった同級生もいた。
そんな中、遺体が発見されて…
小笠原の離島で繰り広げられる、死と生の匂いに満ちた青春ミステリー!
今回も非常に面白かったです!
小笠原諸島、父島という離島、飛行機はなく本土から船で26時間(公式ホームページによると、現在は24時間に短縮されているらしい)
辺境の島で繰り広げられる青春ミステリーで、樋口先生の持ち味が活きるか不安でしたが、愚問でした!
大学生の主人公が夏休みに2年ぶりに島に帰郷するところから始まる物語ですが、18歳~20歳という大人と子供の間の2年間というのは、何もかもを変えていき、何とも言えない切なさがある作品でしたね。
父島という舞台設定が良く活かされていて、今までの作品とは異なる色合い、それがミステリーにもうまく繋げられていて良い感じでした!
東京からひょんな事で移住してきて、高校卒業後は東京に進学した主人公は、よそ者として描かれますが、その事により樋口作品の主人公らしい、大人っぽい言動も良い意味で浮いていてキャラが立ってる。
今回は初恋の人、翔子が病気で余命わずかという設定で、それが生命の力が漲っている小笠原の夏とコントラストが生まれて、何とも言えない気持ちにさせられる。
いつもよりも魅力的な女性キャラ多めな分、翔子の存在がより際立っている感じ。
いつものぶっ飛んでるお父さんも、今回ももちろんぶっ飛んでるんだけど、いつもの様なコミカルな雰囲気ではない。
父島の雰囲気は味わいたいけど、気軽に行けるところではないから全ては理解できないし、そればかりで構成されてしまうとけっこうシンドイのでは?と思ってましたが、
登場人物の半分くらいは本土から来た組で、良い感じのバランスで小笠原諸島の雰囲気を味わえる。
カメネタは小笠原の雰囲気を伝えつつ、笑えて秀逸だったと思います!
いつもの樋口作品より、センチメンタルな色合いが濃い作品で、ミステリーの謎解きよりもその雰囲気を味わうのが主といった感じの物語。
本格ミステリー好きには物足りない部分はあるかもしれませんが、私的にはこれくらいの塩梅が好みなので、今回も楽しめて、個人的には今までの樋口青春ミステリーの中で上位に入ってくる良い作品でした☆
まとめ
小笠原諸島の辺境の島、父島を舞台にした青春ミステリーで、離島の雰囲気がたっぷりと味わえ、樋口先生のファンの方以外でも楽しめる内容だと思います!
センチメンタルな離島の青春ミステリーが読みたいという方にはオススメな作品でした☆
樋口先生の作品は、以前ご紹介したこちらの作品もオススメです☆
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こんな人にオススメ
離島を舞台にした青春ミステリーに興味のある方
樋口先生のファンの方
小笠原諸島父島に思い入れのある方