こんばんは、ちわぷ〜です!
合併やその他諸々の大人の事情により、名前が変わってしまってしまう町ってありますよね〜
そんな町を散歩していると合併前の名残を見つける事があり、自分にまったく関係ない町でもなんだか勝手にノスタルジーを感じてしまい、そんな気持ちに浸る時間が好きだったりもします。
本日はかつて東京に存在した”霞町(かすみちょう)”という町を舞台にした作品をご紹介いたします☆
「霞町物語」浅田次郎(著) 講談社
あらすじ
霞町で暮らす高校生3年生の”僕”は、ある日バーで絡まれていた晴子という不思議な雰囲気を持つ女性を助け恋に落ちる。
晴子は、”僕”の実家が営む写真館と関わり合いがあり…
(「霞町物語」)
今はもう名前が残っていない、霞町という現在で言うところの西麻布周辺を舞台にした、浅田次郎先生自身の思い出も投影した連作短編集。
今はもう名前の残っていない町を舞台にしたノスタルジーたっぷりの作品
本作を読むまで現在で言うところの西麻布周辺にあった霞町という町の存在を知らなかったのですが、浅田先生はその周辺で青春時代を過ごされたみたいで、本作は浅田次郎先生の自伝的作品の側面もある様です。
少し時代設定は古いのですが、浅田先生自身を投影したであろう主人公が、アメリカの高校生かっ!ってくらいオシャレで垢抜けた青春を過ごしており、全くもって古臭い感じはしないので気になりません。
この青春時代が浅田先生の原点なんだな〜と興味深く読ませていただきました☆
まとめ
ノスタルジーに溢れた短編集です。一つ一つの作品がグッときて、自然と涙が込み上げてくる様なジーンと染み渡る完成度の高い良作でした。
個人的には、主人公のおじいちゃんのエピソード(「青い火花」)とおばあちゃんのエピソード(「雛の花」)の二つが好きでした(^ ^)
浅田先生の作品の中ではマイナーな部類に入る作品かと思いますが、完成度は屈指のものがあると思います☆
こんな人にオススメ
ノスタルジーを感じる短編集をお探しの方
浅田次郎先生のファンの方
麻布界隈に思い入れがある方