こんにちは、ちわぷ〜です!
当ブログで小説作品全てご紹介させて頂いている、ビーバップハイスクールで知られる木内先生。
本日は最新作!久しぶりの時代ものでした☆
「一万両の首 -鍵屋ノ辻始末異聞-」 木内一裕(著) 講談社
あらすじ
大坂夏の陣より15年後、備前岡山藩の藩主の寵愛を受けている小姓を河合又五郎は惨殺してしまう。
又五郎が江戸の旗本に匿われた事により、外様大名VS旗本八万騎の争いが勃発して…
日本三大仇討ちの一つである鍵屋の辻の決闘の裏側を描く。
三大仇討ちとはいえ知られていない鍵屋の辻
三大なんちゃらと言われても大抵一つは知られてない物が混じってる様な気がします。
三代珍味は流石に全部分かるけど、三大美女ってクレオパトラと小野小町と誰だっけ?ってなりがちだし(たしか楊貴妃だったはず)
そんな三大仇討ちの中でも忘れ去られがちな鍵屋の辻。
ちなみに他の二つは、大人気の忠臣蔵(赤穂事件)と曾我兄弟!
曾我兄弟も知らないよ〜となりがちかもですが、一応こちらは時代劇好きだったらまぁ聞いた事はあるよね〜って感じですかね^^
鍵屋の辻は知ってはいたのですが、理由が何とも個人的な話であまりそそられず、ちゃんと触れたのは今回が初めて!でも、本作も鍵屋の辻というよりそこに至るところを描いている感じなので、そういった意味ではまだちゃんとは触れていない仇討ちかもです。
この仇討ちはスタートは殿様お気に入りの小姓を斬るという、痴情のもつれ的な感じで始まりますが(本作でどの様に描かれているかは、ぜひ本をお手に取ってお確かめください^^)
大坂夏の陣からまだ15年までしか経っていないものですから、かつては敵だった外様大名と、古くから徳川に仕えた旗本八万騎と、まだまだ因縁浅からぬ時代で、
小姓を斬った河合又五郎を旗本側が匿った事により、そこからどんどん発展して、外様大名と旗本の意地のぶつかり合いになっていく、という事件です!
読んでみて面白そうな事件でしたので、きちんと調べたいと思います☆
木内先生の時代小説は「喧嘩猿」以来久々ですが、前回は森の石松などの侠客を描き、
今回は本格的な武士の世界。
ストーリー自体は非常に面白く、本格時代小説好きには堪らない骨太な侍の生き方が描かれていて時代小説好きには太鼓判でオススメできるのですが、
正直、あまり時代小説を読み慣れていない方にはよく意味が分からず、挫折してしまうかも知れません…
好みが完全に分かれそうで、これほどの作家さんですから、多分あえてそうしてるんじゃないかと思います。
言葉遣いが喧嘩猿とはまた違い独特。
もうちょっと武士言葉を崩して書いたり、読みやすくする事はできたかと思いますが、
かっちりとした武士言葉&あえて難しい漢字を使い、ふりがなが非常に多い…
時代小説好きだともうこの雰囲気が堪らずに待ってました!だし、「藁の楯」など、過去作の匂いもちょっと混じっていて木内先生のファンなら楽しめるかと思うのですが、
武士の世界の空気感をまだ楽しむに至らない時代小説初心者の方には、たとえ木内ファンでも厳しいものがある様に思いました。
映画化とかして、映像等で見れば、描かれている事自体はそんなに複雑な事ではなく、まさに活劇!といった内容で、多少言葉が伝わりにくくても分かると思いますし、初心者の方も絶対楽しめるかと思うので「アウト&アウト」みたいにこれも映画化したら良いのにな〜と思いました。
本作に興味のある方は、まずは「喧嘩猿」の方が侠客な分、砕けてて分かりやすいので、そちらを読んで頂いてから、読めそうと思ったら本作も読んで頂く、というのが良いかも知れません☆
まとめ
ビーバップハイスクールの漫画家が送る、超骨太の時代小説!
知られざる鍵屋の辻の決闘の背景を描きます!
時代小説好きは絶対に楽しめる、純度MAXの武士の世界の空気感!
ちょっとくらい難しい言葉でも全然イケるよって方は是非手に取ってみてください^^
ちなみに、そこまで文章をみっちり詰め込むといった作家さんではなく、テンポを大事にして無駄を省く感じですので、読むのが早い方であれば3時間もいらないかな〜といった文章量ですので、お休みの日にちょっと半日読書したい!という感じの方にもオススメです☆
ちなみに今作の推しキャラは伊達政宗です^ ^
超カッコよかったです☆
木内先生の小説は全作当ブログでご紹介しておりますので、気になる方は[木内]と検索して過去記事を読んでみてくださいm(_ _)m
とりあえず、一番好きな作品は下記に貼っておきます☆
こんな人にオススメ
木内先生のファンの方
骨太な時代小説を読みたい方