ちわぷ〜の書評ブログ🐶

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東京宝塚劇場に集められた少女たちは、”風船爆弾”を作った…「女の子たち風船爆弾をつくる」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

今回は初めましての作家さん!

戦時中の宝塚歌劇団を中心に、戦前〜戦後の女性の一生を描いた作品を読んでみましたのでご紹介いたします☆

「女の子たち風船爆弾をつくる」 小林エリカ(著) 文藝春秋

あらすじ

大人気の宝塚歌劇団の劇場が、東京にもできた。

その頃、少女たちは幸せだった。

しかし、戦争が始まり、やがて女の子たちは東京宝塚劇場に集められ、風船爆弾を作ることになり…

当時の日本を物語る、風船爆弾という兵器

以前、仕事で戦争について調べていた時期があって、そこで風船爆弾という兵器を知りました。

どんな兵器なのかというと、風の雰囲気を読んで、日本から風船型爆弾を空に解き放って、アメリカを爆撃するといったシロモノ。

 

ジョークではなく本当にあった話で、何と信じられないことにアメリカに届いて、被害者も出たとか…

色々と衝撃的な話で心に深く残ってました。

 

とはいえ、兵器について調べるのが趣旨ではなかったため、それ以上の深掘りはせず今に至り、本書の宣伝を読んだところ、なんとその風船爆弾を作っていたのは少女たちで、しかも宝塚劇場も絡んでいた、という事を知り、読んでみる事にしました!

 

文面から察するに、当時にしては裕福な少女を描いていて、戦前はクリスマスなんかもしてたり、東京にオリンピックが来る事を楽しみにしてたり、これから楽しそうな青春が始まる様な予感を感じながらも、それは全て戦争により叶わぬ夢となってしまう。

 

文章がなんだか変わっていて、日本の〜という文章は、”わたしたちの”という言い方に変わっている。それが何度も何度も繰り返される事によって、当時の少女たちを取り巻く雰囲気が分かって何だか恐ろしくなってくる。

 

ヴェニスの商人」のくだりがチョロっとあって細かくは説明はなく、なんで戦時中にできたんだろう?と疑問に持ち考えてみると、

 

作者のシェイクスピアはイギリス人(敵国)だけど、

舞台になっているヴェニスは、イタリアのヴェネチア(同盟国)

だからOKという事なのかな〜と?

 

当時、鬼の様に検閲が厳しかった様ですが、このパターンはアリなんだという新しい発見。

 

宝塚ネタも豊富で、海を超えて慰問に行ったという事も詳細に記録されていて、宝塚ファンの方にとっても貴重なのではないでしょうか。

戦争の直前にアメリカに行ってたり、ヒトラー政権下のドイツに行ってたり、そういう事は全く知らなかったので非常に勉強になりました。

まとめ

宝塚歌劇団風船爆弾という軸はありながらも、広くあの時代の女性の一生を捉えた作品で胸に来るものがありました。

 

宝塚の古い時代を知りたいというファンの方にとっても貴重な一冊なのではと思いました。

 

戦争の知られざる部分を描いた作品は以前ご紹介したこちらの作品もオススメです☆

chiwawatan.hatenablog.com

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こんな人にオススメ

古い宝塚の歴史を知りたい方

知られざる風船爆弾という兵器について知りたい方