こんばんは、ちわぷ〜です!
先日、「この世の喜びよ」を取り上げさせて頂いた、第168回の芥川賞。
本日は、「この世の喜びよ」と共に大賞を受賞した作品をご紹介させていただきます。
「荒地の家族」 佐藤厚志(著) 新潮社
あらすじ
40歳の植木職人の祐治は、東日本大震災の津波で仕事道具を失い、その2年後に妻を喪う。
祐治は今も故郷で息子と共に暮らしている。
しかし、あの震災で故郷の姿も、祐治自身も変わってしまった…
失ってしまった物は、決して元には戻らない…
一度壊れてしまった物は、造り直しても元には戻らない
本作がはじめましての作家さんでしたが、非常に読みやすく、それでいて強い主張のこもった文章で好感を持ちました。
本作を読んで感じた事は、
一度壊れてしまったものは、造り直したところでもうそれは別のものになってしまう、二度とは戻らないという事実。
植木職人という、新たな命を根付かせる仕事をしている主人公ならではの説得力のある価値観だなと思いました。
それを何の虚飾もなく、物語的なご都合主義も一切なく、嘘くさい希望に満ちた答えを提示するという事もなく、ただただ淡々と書き綴られております。
まとめ
とにかく”震災後の現実”を描いた物語なので、
もしかしたら、落ちこんでいる時に読むと気が滅入ってしまうという方もいらっしゃるかも知れませんので、気楽に手に取ってとは言えないので、それぞれのタイミングで読んで頂ければと思いますが、芥川賞の名に恥じない、一読の価値ありの作品でした。
こちらの作品も第168回の芥川賞受賞作になります。
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こんな人にオススメ
芥川賞受賞の話題作に興味のある方
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