こんにちは、ちわぷ〜です!
最近、重厚なミステリーを読んでないな〜という事で、久しぶりに奥田先生の作品を読んでみましたので、ご紹介させていただきます☆
「罪の轍」奥田英朗(著) 新潮社
あらすじ
東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年の東京が舞台。
ある少年が誘拐され、捜査線上にある北国訛りの男が浮かんでくるのだが…
戦後最大の誘拐事件と言われる”吉展ちゃん誘拐事件”をモチーフに描かれる、重厚な人間ドラマ。
物の在り方が移り変わる最中に起きた誘拐事件は障害が多かった。
モチーフになっている事件は知らなかったのですが、それでも何の問題もありませんでした!
まず、時代背景としてビジュアル的にイメージしやすいのは、「三丁目の夕日」が昭和33年なので、その5年後。
少しずつ個人に電話が普及され、カラーテレビが発売され始めたころ。
その事が事件をより複雑にしており、それまで超アナログだった警察側も捜査に苦心します。そして、テレビが普及した事によりすぐに事件は世に知れ渡る様になったので、日本で初めての報道協定が結ばれた事件になりました。
そう思うと、かなり歴史的な事件だったんですね。
今作はあくまでモチーフにしたフィクションなので、何から何まで同じというわけではありませんが、被害者の親族の描写だったり、報道の在り方についても考えさせられる作品でした。
昭和の東京オリンピックの前年の事件という点も興味深くて、今では当たり前の事が当時では手探りな状態だったり、捜査も物が無い分とにかく足で稼ぐしかない状況で、昭和の警察官の方って大変だったんだろうな〜とつくずく思いました。
もちろん今だって誘拐事件はとんでもない大事件ですが、丁度物事の全てが移り変わっていたあの時代に起きてしまった事により、次々と様々な問題が起きてしまった事件。
ミステリー、警察小説好きでしたら一度は触れておいた方が良い題材だなと思いました。
また、奥田先生の文章が素晴らしく、ドクター伊良部シリーズと同一の作家とは思えない重厚感がある文章!
以前ご紹介させて頂いた「リバー」よりも更に硬派。ここまで書き分けられる作家さんっていないんじゃないかな〜と思いました^ ^
また、今作も「リバー」同様きっちりと人間が描かれており、一つの事件に関わる多くの人間ドラマがしっかりと描かれていました!
「リバー」も面白いので、よろしければ過去の記事を読んでいただけますと幸いです☆
まとめ
戦後最大の誘拐事件をモチーフに描かれる重厚なミステリーで、人間ドラマがしっかり描かれた作品です!
現代と違い超アナログな捜査方法など、ミステリー好きでも新鮮に読める作品かと思います☆
ドクター伊良部シリーズとは違い、笑いどころはナシ。本格的なミステリーを読みたい時にオススメの作品です!
奥田先生の作品は、以前ご紹介したこちらの作品もお薦めです☆
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こんな人にオススメ
人間ドラマがしっかりした警察小説を読みたい方
昭和を舞台にした警察ドラマを読みたい方
奥田先生のファンの方