こんにちは、ちわぷ〜です!
久しぶりに西加奈子先生の作品を読んでみましたので、ご紹介させていただきます!
今回は西先生の実体験や思いがダイレクトに伝わって来る作品でした☆
「わたしに会いたい」 西加奈子(著) 集英社
あらすじ
グラビアアイドルの顕は、乳癌になってしまい、売り物としていたGカップの胸を全摘出する事になり…
(「あらわ」)
同じ様に乳がんを患った西先生が描く、鬼気迫る8つの短編集。
まるで叩きつける様に脈打つ言葉
まず、全編通して目を背けたくなるくらい、命と身体に真摯に向き合った作品になっているので、今はそういった作品は読みたい気分じゃないよ〜という方には、合わないかなぁと思います。
大病を患われた西先生の切実な思いがまるで叩きつけるかの様にダイレクトに描かれている短編集です。
この短編集は2019年〜西先生が乳癌を患った2022年の間に書かれたものがまとめられており、個人的にはあらすじに選んだ「あらわ」が一番強烈に響いてきました。
「くもをさがす」という、西先生がカナダでご病気になっている事を綴ったノンフィクション本がネットニュースなどで話題となっていたので、大病を患らわれていた事は知ってはいたのですが、まさか乳がんとは…
この記事を書くにあたり知りましたが、道理で「あらわ」が一番響いてきたわけです。
全編通して、他の西先生の作品以上に全て強烈です。
やはりご病気の影響か、身体と命に関する話が大部分を占めており、
会うと死ぬとされているドッペルゲンガー、女としての価値を高める為に改造を施してゆく女性、胸を摘出してもグラビアやその先の業界で生きようとする女性…
「あらわ」でグラビアアイドルがマネージャーとのやり取りで頭の中で思っていた言葉は、たぶん同じ苦しみを味わった西先生でないと書けない世界なんでしょうね…
一番強烈に響いたのは「あらわ」ですが、なんかもうワケが分からないくらいに胸を締め付けられたのは書き下ろしの「チェンジ」
これは、とてもじゃないけどあらすじに書けた内容ではないのですが…
チェンジという言葉に込められた意味、チェンジされた者の苦い思い、
嫌がおうにも変わらざるを得ないあらゆる物事。
そして深読みし過ぎかもしれないけど、病を機に何かが変わった西先生。
そういった様々な事柄を内包した作品になっている、これもまた切実な作品だなぁと思いました。
まとめ
西先生が大病を患われる前後に描いた作品をまとめた短編集で、全編を通して切実な叫びが聞こえてくる様な内容です。
今はライトなエンタメ作品が読みたいな〜という気分の方は合わないかと思いますので、また切実な作品を読んでみようという気分になった時にでも思い出して読んでみてくださいね〜☆
本作を読んで西先生のノンフィクション本「くもをさがす」にも興味を持ったので、来年になっちゃうかもですが、そちらも読んでみようと思います☆
西先生の作品は、以前オススメしたこちらの作品もオススメです!
ライトとは言えないかもですが、こちらは読みやすいかと思います☆
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こんな人にオススメ
命と身体に向き合った作品を読みたい方
西先生のファンの方