ちわぷ〜の書評ブログ🐶

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”悪魔の子”として生まれた少年が、やがて神の子として神という名の運命に抗う…「デウスの棄て児」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

最近仕事で調べている天草四郎関係。

またまた面白い作品を見つけましたのでご紹介させて頂きます!

下妻物語」を書かれた先生の作品です☆

デウスの棄て児」 嶽本野ばら(著) 小学館

あらすじ

ポルトガルの商人とその商人に譲り渡された日本人の母との間に生まれた四郎は、ポルトガルで悪魔の子と呼ばれていた。

天草に戻った四郎は、悪魔の子としてデウスに戦いを挑もうと心に誓うのだが…

悪魔の子が神という名の運命に抗おうとする物語

あらすじを読んだ感じ、少し変わり種の作品なのかと思い、史実に基づいたたくさんの作品を読む中で箸休め的な立ち位置で読み始めた作品でしたが、変わり種なんてとんでもない、素晴らしい作品でした!

 

天草四郎ポルトガル人とのハーフだったという大胆な脚色が施されながらも、その生い立ちが四郎の背負う十字架の重みに繋がってゆき、悪魔の子として立ち上がり、運命と戦おうとする様は他で描かれる天草四郎とは一線を画す展開でした!

 

そして文章の感じも良い!時代小説ではなく、文学作品を読んでいる様なイメージで時代小説初心者でもこれなら全然大丈夫!ポルトガルを舞台に描かれる少年時代から入っているからなのでしょうか。色々時代小説は読んで来ましたが、この感覚は初めてかもです。

 

下妻物語」の著者だけあって、衣装への拘り、見せ方も他の天草四郎とは違う!

サラっと1行こんな格好だよ、って感じで書かれてるだけの作品が多い中、今作では衣装の持つ力にも言及し、うまく作品にも落とし込んでいる。

 

長さで言うと、ちょっと長めな芥川賞作品くらいのコンパクトな作品。その中で天草四郎の激動の人生がきっちりと描き切られております!

まとめ

天草四郎ポルトガル人とのハーフだったという大胆な設定でありながらも深く心に刺さってくる作品でした!

あまり時代小説を読んでる感じはしないので、時代小説初心者でもこれなら全然大丈夫かと思います!

 

悪魔の子と蔑まれた男が、やがて神の子として神という名の運命に抗おうとする姿は圧巻でした!

 

天草四郎を描いた作品は、以前オススメしたこちらの作品もオススメです!

こちらの四郎は、神の子として祭り上げられてしまう展開です!

chiwawatan.hatenablog.com

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こんな人にオススメ

一風変わった時代小説を読みたい方

天草四郎に興味のある方

嶽本先生のファンの方