ちわぷ〜の書評ブログ🐶

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戦闘機に魅せられた少年は、どこへ向かう…「幽玄F」

 

こんにちは、ちわぷ〜です!

 

久しぶりに直木賞作家である佐藤究先生の最新作を読んでみましたのでご紹介させて頂きます!

他の作品に比べて、入りやすい作品なんじゃないかな〜と思いました☆

「幽玄F」 佐藤究(著) 河出書房新社

あらすじ

お寺の住職をしている祖父に育てられた、戦闘機に魅せられた少年透は、戦闘機のパイロットになり、そしてやがて仏教の国であるタイに移り住み…

間口が広いが、出口は狭く作家のカラーはちゃんと感じる!

佐藤究先生は直木賞を受賞した「テスカトリポカ」で知られる様にアウトローな世界観+テスカで描かれていたアステカ文明などの文化などなど知性が感じられるネタの組み合わせが魅力で、個人的には一番知性を感じるアウトロー作家なイメージでした!

 

最新作である今回はその前提が崩されたかの様に、飛行機乗りを目指す少年とその親友の交流など、まるで青春物かの様な学生時代。

そこに作中で重要なモチーフになる蛇と、住職のおじいちゃんの密教に伝わる蛇よけの呪文などなどの知性をトッピング。

 

もちろん、飛行機の原理といういかにも佐藤先生っぽい頭の良い情報も入ってきて満足。あれ、でも肝心のアウトローは?

 

まさかこのままアウトローなしで行くかと思いきや、他の作品ほどではないがちゃんとアウトローも入れてきて、不思議なもやもやのする読後感は佐藤先生ならでは!

個人的には佐藤究作品にはもっと裏社会感を求めてはいるのだけれど、ちゃんと佐藤究作品を読んだな〜という満足感はあり。

 

戦闘機という題材で興味が分かれるところではありますが、読み始めてみれば他の作品に比べて取っ付きやすいので、佐藤究作品は未見だよ〜という方にはオススメできる作品でした!

まとめ

間口が広い書き方をしつつ、(といっても他作家に比べれば狭めですが)

ちゃんと自分色に仕上げてくるのは流石でした!

 

住職のおじいちゃんが良い味を出しており、テスカのアステカ文明も不思議な魅力がありましたが、今作の仏教もなかなか!

やはり、佐藤究作品は知性を感じます。

 

佐藤究作品は初めてだよ〜という方には入りやすいのでオススメしたい作品、

読んだ事あるけど、スリリングなのが良いなぁ〜という方は、以前オススメした下記の作品がオススメです☆

chiwawatan.hatenablog.com

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こんな人にオススメ

戦闘機に興味がある方

佐藤先生のファンの方