ちわぷ〜の書評ブログ🐶

アラサーの物書き愛犬家の書評ブログです🐶

子供のころになりたかったものは何ですか?「ブラック・ジャック・キッド」

 

 

こんばんわ、ちわぷ〜です🐶

感動系の小説のご紹介が続いたので、今日は軽い気持ちで読める変わり種の小説をご紹介いたします✨

ブラック・ジャック・キッド」久保寺健彦(著) 新潮社

あらすじ

あの手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』が好きすぎて、憧れを通り越してブラックジャックそのものになりたいと願う少年、和也。

服装や髪型だけではなく、患者を探し求めたり、ブラックジャックのメスさばきに憧れドライバー手裏剣なるものにまで手を出してしまう和也。

しかし、そんな和也にも両親の離婚や転校など、現実的な問題が迫っていた…

第19回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞受賞作品!

そこまでメチャクチャにファンタジー要素があるわけではないのですが、ところどころにファンタジー要素が挟まれています。

そもそも、ブラックジャックに憧れて医者を志すというのであれば、ああなるほどとなりますけど、医者というよりブラックジャックそのものになりたくて真似をする少年なんてファンタジーな存在ですよね(笑)

まとめ

子供の頃、戦隊物のヒーローになりたい!仮面ライダーになりたい!と夢みた少年は多いのではないでしょうか?

しかし、普通は時が経てばそんな子供ながらの夢は自然と醒めていくはず…

 

この作品の主人公の和也は、それを小学校高学年まで引きずってしまった様なイメージです。

滑稽でありながらも、純粋さがどこか可愛らしくて魅力的な和也。

和也の言動に思わず吹き出してしまったり楽しませてもらいながらも、ところどころでじんわりとする場面もあり、ノスタルジックな気持ちに浸れる作品です。

肩肘張らずに読める作品なので、普段あまり小説を読まない方にもオススメできる作品です✨

こんな人にオススメ

童心に帰りたい方

ゆるーい小説をお探しの方

クスっと笑える小説をお探しの方

ブラック・ジャック』が好きな方

あなたが本当に欲しいものは何ですか?『夜市』

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

本日はファンタジー性の強いホラー小説をご紹介いたします✨

ホラーといっても、かなりライトですので怖いのが苦手な方でも大丈夫ですのでご安心ください!

「夜市」恒川光太郎(著)KADOKAWA

あらすじ

大学生のいずみは、少し気になっている高校時代の同級生の裕司に誘われて岬の森で開かれている夜市に赴く。しかしそこは、妖怪達が様々なものを売る不思議な市場だった。

そこでは望むものは何でも手に入り、そして、対価を支払い何かを買わなければ夜市から出る事はできない…

果たして裕二が望んだものとは…

 

表題作の他、この世ならざぬ者達が使う”裏街道”に迷い込んだ少年の冒険を描く、「風の古道」も収録。

第12回ホラー小説大賞受賞作

オリジナリティ溢れる世界観が魅力の本作。かなりライトなホラーなのでホラー入門に最適です✨

 

実は怖いの大の苦手で、ホラー小説は今まで敬遠してきた、ちわぷ〜でも全然大丈夫でした(笑)

怖すぎて夜中トイレに行けなくなったり、シャンプーする時に目を閉じるのすら怖い…なんて事はありません(笑)

 

ホラーというより、おとぎ話的なイメージなのかなと思います^ ^

意外な展開でファンタジー好きには絶対に楽しめる作品だと思います!

まとめ

自分が本当に欲しいものって何なんだろうか?

考えずにはいられない作品です。

 

もう一作「風の古道」という作品も収録されているのですが、そちらも似たファンタジー色の強いかなり引き込まれる作品になっています。

どちらの作品もそこまで長くないので、時間がない方でもサクッと読めちゃいます^ ^

 

こんな人にオススメ

不思議なファンタジー作品を読みたい方

時間がないのでサクッと読める小説をお探しの方

ホラー小説をこれから読み始めたい

姉になりすました妹と、初恋の相手の不思議な文通『ラストレター』

 

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

今日は大好きな映画監督である、岩井俊二監督の映画原作小説をご紹介いたします✨

原作小説の方も岩井監督が自ら書かれています。

「ラストレター」岩井俊二(著)文藝春秋

あらすじ

姉の末咲のお弔いの日、裕里は姉宛ての同窓会の知らせを受け取る。

姉の死を知らせるつもりで同窓会に向かった裕里だったが、姉の同級生達から姉と勘違いされてしまう。

初恋の相手である姉の同級生、鏡史郎と再会した裕里は連絡先を交換する。

末咲として振る舞う裕里と、25年間もの間、末咲を愛し続けていた鏡史郎の不思議な文通が始まる…

岩井監督の「Love Letter」が好きな方はきっとハマる作品

タイトルや設定から同監督の「Love Letter」を連想する方もきっと多いですよね!

全く別の話ながらも、今作にも「Love Letter」に通ずるテーマが描かれています。

映画版の「ラストレター」では、「Love Letter」の主役を演じた豊川悦司中山美穂が別の役としてですが出演していたり、「Love Letter」好きには楽しめる要素がたっぷりです。

 

余談ですが、ちわぷ〜は岩井監督作品では「Love Letter」など故・篠田昇カメラマンが撮影した作品が好きなのですが、本作の映画版はどことなく篠田氏の雰囲気が漂っていて楽しめました。

まとめ

美しいストーリーと映像でファンが多い岩井監督作品。

でも、原作小説も読んでいる方って意外と少ないのではないでしょうか?

岩井監督自身が執筆なさっているので、映画版を観て気に入った方はきっと原作も楽しめるはずです!

 

もちろん原作から入ってみて、映画を観てみようという場合でも大丈夫!

原作の作家さんが監督して映画化してるわけですから、原作のイメージが崩れるなんて事はありません!理想的な映像化ですよね^ ^

福山雅治さん、広瀬すずさんなどイメージぴったりの豪華キャストで映画化されております。

 

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こんな人にオススメ

美しいストーリーの小説を読みたい方

岩井俊二監督ファンで原作未読の方

映画「Love Letter」が好きだった方

明治維新後のアイヌ民族を描く、直木賞受賞作!「熱源」

こんばんは、寝不足気味のちわぷ〜です🐶

今日は待ちに待った「ゴールデンカムイ」最終巻の発売日…

と思いきや、日付変わってもいつまでも配信されず調べてみたら、まさかの一週間発売日を勘違いしてました^^;

というわけで、今回はアイヌ民族に興味を持ち、「ゴールデンカムイ」を読むきっかけになった直木賞受賞作をご紹介いたします✨

「熱源」川越宗一(著) 文藝春秋

あらすじ

明治維新後、樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフは故郷を奪われて北海道に集団移住を強いられる。時代に翻弄されるアイヌポーランド人達。

金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた、山辺安之助(ヤヨマネクフ)の生涯を軸に描く長編時代小説。

第162回 直木賞受賞作!

一口にアイヌと言っても多種多様なのですが、今作では樺太で生まれ育った樺太アイヌを描いています。

時代小説はなかなかとっつきにくいな〜という方でも大丈夫!

明治維新後の話になるので、そこまで難しい言葉は出てこないし、情景がイメージしやすいと思います。

 

アイヌだけではなく、ロシア人にされそうになったポーランド人の話も出てくるのですが、そちらも全く予備知識がなくてもすんなりと読めたので心配いりません。

長編で読み応えアリなので、おうち時間のお供にもぴったりです。

まとめ

北海道以外の方にはなかなか馴染みがなく、学校でも教えてくれないアイヌ民族

アイヌの方は現在でも多くいらっしゃいますし、北海道の地名の中には、アイヌ語が元になって付けられたものも多数あります。(札幌、小樽、富良野などなど*諸説アリ)

本作や「ゴールデンカムイ」などアイヌを描いた作品を通して、その文化の奥深さを知っていけたら良いですね!

こんな人にオススメ

読み応えのある長編小説をお探しの方

アイヌ文化に興味がある方。

ゴールデンカムイ」を読んでアイヌ文化に興味を持たれた方

 

キャッシュレス時代の今だからこそ突き刺さる作品『火車』

こんばんは、ちわぷ〜です🐶

今日は今のキャッシュレスの世の中で読むと更に味わい深い、宮部みゆきさんの名作をご紹介いたします✨

 

火車宮部みゆき(著)新潮社

あらすじ

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて、彼の婚約者で失踪した関根彰子を捜す事になる。

しかし、徹底的に足取りを消していた関根彰子にはなかなか辿り着けない。なぜ、彰子は姿をくらませなければならなかったのか?

カード会社、借金、自己破産…

関根彰子とは、一体何者なのだろうか…

宮部みゆきの初期の代表作

今や押しも押されぬ大作家の宮部みゆき先生の初期に書かれた代表作になります!

二度のドラマ化、韓国で映画化と映像化もされているので、そちらを観て知っている方も多い作品ではないでしょうか?

 

今回、改めて調べ直して初めて知ったのですが、宮部先生は法律事務所で事務員として働かれていた時期があり、その経験が本作に活きているとの事。

社会で働いていた時期のバックグラウンドが、宮部先生の作品のリアリティを支えているのですね!

今の世の中では他人事とは思えないカードローン破産

事の発端は関根彰子がクレジットカードを作ろうとした事から始まります。

執筆当時は、恐らくクレジットカードに触れたミステリー作品は少なかったと思いますが、今のキャッシュレスの時代、現金に触れる機会が減った分、お金の実感が薄れている様な気がします。

 

リボ払いが積りに積もって自己破産してしまう方もいらっしゃるとか…

(リボ払いはもちろん便利な機能なのですが…)

少し前の作品ではありますが、本作のテーマになっている問題は、今の時代だからこそより重みを増している様な気がします。

 

以前に読まれた方でも、今もう一度読み返すと、より深々と突き刺さるものがあるかも知れませんね。

まとめ

トリックも秀逸で長く愛され続けてきた作品です。

キャッシュレスの時代にもう一度お金について考え直す良いきっかけになる作品なのでは?と思います。

こんな人にオススメ

本格的なミステリー小説を読みたい方

宮部みゆき先生のファンで初期の作品も読んでみたい方

だいぶ昔に読んだけど、キャッシュレスの時代に改めて読み直したい方

第166回芥川賞受賞作!『ブラックボックス』

こんばんわ、ちわぷ〜です🐶

今日は少し好き嫌いが分かれるかも知れないけど、好きな方の熱量が半端ない、

ハマる人は本当にハマる!という作品をご紹介いたします✨

 

ブラックボックス』砂川文次(著)講談社

あらすじ

自分の感情を抑えきれずに職を転々としているサクマが流れ着いたのは自転車便メッセンジャーという仕事。

コロナ禍の東京で生きる行き場の無い人間の現実を照らし出す作品。

 

第166回芥川賞受賞作品(2021年下半期)

芥川賞作品って、なんだか文学的な匂いがぷんぷんしてて、なかなか手が出しにくいイメージですよね😅

でも意外と最近の受賞作は読みやすい文体の作品も多いし、芥川賞の作品は全体的にページ数がそれほど多くなく、サクッと読めちゃうんであまり読書に時間が割けない方にもオススメです!

自転車便メッセンジャーという仕事

都内でたまに猛スピードで疾走するロードバイクの人を見かけて、あの人達は何なんだろう?と疑問に思っていたのですが、その謎が解けました。

彼らは時間と戦う自転車便メッセンジャーでした(バイク便の自転車版みたいなイメージです)

都内では急ぎの書類の受け渡しをする場合、最速の手段がこの自転車便メッセンジャーに依頼する事らしいです!

しかし、実はこのお仕事、過酷を極めている上、常に危険と隣り合わせ^^;

 

あまり知られていないメッセンジャーという仕事の裏側を描いている貴重な作品だなぁと思いました。

 

まとめ

コロナ禍でウーバーイーツも流行っていてロードバイクに乗って配達している方もよく見かけますよね。自転車配達というものが、より身近になった様に思います。

本作を読むと、メッセンジャーの皆さん、ウーバーイーツの皆さん、厳しい暑さが続くのでどうかお体ご自愛ください🙇と思わずにはいられません。

 

ちわぷ〜はロードバイクには疎いのですが、ロードバイクの修理の場面や細かい描写がけっこう多いので、ロードバイク好きだったらそれだけで楽しめる様な作りになっているんじゃないかな〜と思いました。

 

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こんな人にオススメ

話題の作品を読みたい方

自転車便メッセンジャーという仕事に興味がある方

ロードバイク好きの方。

 

 

こんな心地良い文章、読んだ事ない!『流浪の月』

こんばんわ、ちわぷ〜です。

今日は特別文章がウマい作家さんの作品をご紹介いたします✨

「流浪の月」凪良ゆう(著) 東京創元社

あらすじ

救いを求めていた少女、更紗と、幼い少女しか愛せない大学生の文。

ある日、文は更紗を家に招き入れ、虐待を受けていた更紗を保護し、共に時を過ごす。

不思議な絆で結ばれてゆく更紗と文。

しかし、結果として文は更紗を”誘拐”した犯人として逮捕されてしまう。

そして15年後、大人に成長した更紗は偶然、文と再会する…

 

第17回本屋大賞 受賞作品

有名な本屋大賞受賞作品ですが、それも頷ける好内容です。

私個人の感想で恐縮ですが、

正直、登場人物に感情移入できたかといえば、そうではなかった…

それぞれが抱えている闇が深すぎて…

 

でも、衝撃的に文章がウマい作家さんで、なぜだろう、文字を目で追ってるだけで本当に心地良い気持ちになってくるんです!(凪良先生の文章力スゴすぎて、なんらかの幸せ成分が発生してるんじゃなかろうか笑)

 

気持ちを途切れさせない文章の連なりで、凪良先生の世界観に浸ったまま最後のページまで読み進める事ができます。

上手い作家さん、好きな作家さんは数多くいるのですが、こんな感覚にさせてくれたのは凪良先生の本作だけです!

数年に一度、必ず読み返すであろう作品です。

 

映画化作品、上映中!

広瀬すずさん、松坂桃李さん主演で現在、映画化作品が上映されてます。

素晴らしいキャストで監督も「フラガール」、「悪人」、「怒り」の李相日監督…

かなり興味をそそられる強力なチームですよね!

 

絶対に観に行きたかったのですが、ちょうど仕事でバタバタしてる最中に公開され、ちわぷ〜の住んでる田舎では上映が終了してしまいました😭

観に行かれた方、これから観に行く方、ぜひとも感想をお聞かせくださ〜い!

 

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こんな人にオススメ

読みやすい文章の小説をお探しの方

もはや文章力のある作家さんの作品でないと満足できない読書家の方

広瀬すずさん、松坂桃李さんのファンで、原作もチェックしたい方