ちわぷ〜の書評ブログ🐶

アラサーの物書き愛犬家の書評ブログです🐶

罪とは?償いとは?「ぼくのメジャースプーン」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

 

本日は大人向けのファンタジー要素のある作品になるのですが、秋の夜長に深く考えさせられる作品をご紹介致します!

人気作家の辻村深月先生の作品になります☆

「ぼくのメジャースプーン」 辻村深月(著) 講談社

あらすじ

小学校4年生の”ぼく”には不思議な力がある。

ある日、”ぼく”の幼馴染のふみちゃんが、悲惨な事件に巻き込まれ、心を閉ざしてしまう。

 

”ぼく”は、その犯人に復讐する力を持っている。

一週間後、犯人と会う事になった”ぼく”は同じ力を持つ親戚の元を訪ねる…

 

辻村深月が描く、償いとは?

まず、始めににお伝えしておきますが、本作で描かれている事件はなかなかヘビーなものでして、動物好きな方にとっては少ししんどいかも知れません…

 

一つの事件を通して、それに復讐する力を持つ”ぼく”が”罪”について考え、答えを出すまでの物語です。

 

罪とは?償いとは?”ぼく”と一緒に様々な角度から深く考える事になります。

まとめ

もしも自分が”ぼく”と同じ力を持ったとして、どんな答えを出すのか?考えさせられました。

お行儀の良いファンタジー要素のある作品ではなく、大人向けの作品となっていると思います。

 

明るめの作風の辻村先生の作品を読んでみたい方は、以前取り上げたこちらの作品がオススメです☆

chiwawatan.hatenablog.com

 

こんな人にオススメ

善と悪を考えさせられる、深い作品をお探しの方

辻村先生のファンの方

大人向けのファンタジー要素のある作品をお探しの方

 

浦沢直樹×ルーヴル美術館×あのお方…「夢印」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

電子書籍化が解禁したのを機に浦沢直樹先生の未読だった作品を読み始めましたが、巻数が少なく読みやすい作品がありましたので、ご紹介させていただきます☆

 

なんと、なんと、この作品には大人気なあのキャラクターが重要な役で登場しちゃいます!(浦沢作品のキャラではない)

 

「夢印」全2巻(デジタルver) 浦沢直樹(著) 小学館

あらすじ

多額の借金を背負い、妻には逃げられ、途方にくれた父と娘。

二人はカラスに導かれ、”仏研”と書かれた看板が掲げられた古い館に足を踏み入れる。

そこでは、一人の男が待っていた…

浦沢直樹×ルーブル美術館!そして、あのお方も登場…!

あとがきによると、本作はルーブル美術館からのオファーにより実現したコラボ作品

の様ですが、コラボはそれだけでは留まりません!

特に何の前情報もなく購入して読んでみたら…

 

なんとなんと、フランスと言えば、あのお方…!

私も大好き、日本の漫画史上でも指折りにナイスなあのお方が重要キャラクターとして登場していて、思わずあの名セリフが、生まれて初めてナチュラルに口から出てきてしまいました笑笑

 

浦沢先生のファンの方、漫画好きな方だったらもう前情報ナシで読んで頂いてビックリして頂きたいところですし、

 

どんなキャラが出てくるか分からない漫画を読む気になれない!という方は、各販売サイトで何となくの匂わせが書いてありますので、下に張ってあるリンクから各サイトに飛んでみてください☆

冒頭にも書きましたが、浦沢作品に登場するキャラではないので、あしからず(^^)

まとめ

ルーブル美術館に漫画という文化が認められた記念碑的な作品です。

浦沢作品ファンのみならず、あのお方のファンにもドストライクな内容になっております!

 

他のサイトで販売している物はどうか分かりませんが、楽天電子書籍で買ったら現在連載中の浦沢先生の最新作「あさドラ!」の1、2話も収録してあって、完結まで待つつもりがついつい読んでしまい、次のお買い物マラソンでは「あさドラ!」を買う事になりそうです笑

 

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こんな人にオススメ

巻数の少ない良作をお探しの方

浦沢直樹×ルーブル美術館の組み合わせが気になる方

この作品に登場する”あのお方”のファンの方

 

世界でいちばんタフな15歳「海辺のカフカ」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

 

秋の夜長には深い余韻に浸れる壮大な物語を読みたくなりがちです。

本日ご紹介させていただくのは、村上春樹先生の代表作の一つで、根強いファンを持つ作品になります☆

海辺のカフカ」 村上春樹(著) 新潮社

あらすじ

15歳のを迎え、東京の中野区に住む”僕”は知らない街へ旅に出て、小さな図書館の片隅で暮らす様になる。

僕は”世界で一番タフな15歳”になりたいと願っていた。

 

空から突然、2000匹の生きた魚が降り注いできたら…

言葉を持たないネコ達が、名前を持たない悪夢を抱えていたら…

この世は不思議で満ちている…

壮大な村上春樹ワールド!世界の蜷川が舞台化!

本作も村上春樹ワールドは健在です!

そして、数々の作品の中で、本作で綴られる言葉は随一に美しく、そして深い余韻を感じます^ ^

 

ギリシア悲劇源氏物語などの様々な日本の古典を下書きにしていて、それも村上先生の美しい文章とマッチしていて、本作の深みを引き出しています!

 

日本を代表する演出家だった蜷川幸雄さん演出で舞台化されるという事で、普段好きな小説の舞台化はあまり観に行かないのですが、村上春樹×蜷川幸雄という組み合わせに興味があり、2014年に観に行ってきました!

 

冒頭に水槽に入った宮沢りえさんが出てきた時の美しさがハンパなく、想像を遥かに超える美しく幻想的な舞台になっていました^ ^

まとめ

幻想的で美しい言葉で綴られる物語に引き込まれる作品です。

 

舞台版が気に入られた方は、より深く村上先生の言葉の世界に浸れるので原作も読んでみる事をオススメいたします☆

 

村上先生の作品は以前取り上げたこちらの作品もオススメです!

こちらはデビュー作で、ファンタジー要素の無い作品になります☆

chiwawatan.hatenablog.com

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こんな人にオススメ

言葉の美しい、壮大な物語を読みたい方

村上春樹先生のファンの方

蜷川幸雄演出の舞台版を観て気に入った方

湊かなえが描く、山ガール「山女日記」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

 

今年はなんとなく秋をあまり感じないまま冬に向かっていってる様な気がします。

 

しかし、私は年中読書の秋真っ盛り!紅葉も見頃で登山の秋!

というわけで、「告白」などを手がけた湊かなえ先生が山ガールを描く、連作短編集をご紹介いたします☆

 

「山女日記」 湊かなえ(著) 幻冬舎

あらすじ

様々な事情から山に登る事になった山ガールたちが主人公。

下界で様々な問題を抱えた彼女達は山に登る事によって新しい景色を見出してゆく。

 

一作毎に一つの山を描いた読みやすい連作短編集。

初心者でも登りやすい魅力的な山々を描く!

本作を読んで知ったのですが、湊かなえ先生は学生の頃から山に登られていて、結婚や出産で遠ざかっていたみたいですが本作を機に登山を再開したとか!

 

本作はそんな湊先生が描く山岳小説ですが、実際に湊先生が登られた山が描かれていて、登場人物たちも初心者やブランクがあるという設定が多く、登山経験が無くても登りやすい山を舞台に描かれています!

 

これから登山を始めたい、ブランクがあるけどまた登山を再開したい、という方にも参考になる作品かと思います☆

 

アクセスの良い山もあれば、北海道の利尻島の山もあり、ニュージーランドの山を描いた作品もあり、バラエティに富んだ短編集になっているかと思います☆

まとめ

各話とても心温まる物語で、まるで一つの山を登り切った後の様な清々しい気分になれる作品でした!

 

各話そんなに長くなく、すぐに読み切れてしまいますので、忙しい時でも一日一山って感じで読めてしまいます^ ^

 

いつか、ニュージーランドの山にもチャレンジしてみたいと思いました☆

 

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こんな人にオススメ

山ガールを描いた連作短編集を読みたい方

これから登山を始めたい、また登山を再開したい方

「告白」など湊かなえ先生のファンの方

 

砂の女王を目指して…「蒼のファンファーレ 〜風の向こうへ駆け抜けろ2」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

 

本日ご紹介させて頂くのは、先週取り上げさせて頂いた「風の向こうへ駆け抜けろ」の続編となります!

先に「風の向こうへ駆け抜けろ」を読んだ方が楽しめる内容となっております^ ^

 

ドラマ版しか観ていないよ〜という方も、ドラマのその後を描いた作品なので楽しめるかと思いますが、ドラマ版の「風の向こうへ駆け抜けろ」は尺の都合もあり、少々駆け足気味でしたので、原作も読むと更に楽しめるかと思います!

 

以前取り上げた「風の向こうへ駆け抜けろ」の記事も貼らせて頂きますので、未読の方で女性ジョッキーを描いた作品に興味のある方は、是非読んでみてください☆

chiwawatan.hatenablog.com

 

「蒼のファンファーレ 風の向こうへ駆け抜けろ2」 古内一絵(著) 小学館

あらすじ

フィッシュアイズがG1桜花賞に挑戦した後、緑川厩舎に超良血馬のティエレンが入厩してくる。オーナーはメディアで人気の風水師のワン。

ワンは風水で緑川厩舎に預ける事を決めて、フィッシュアイズとの勝負を望んでいた…

地方在籍女性ジョッキーの中央G1挑戦再び!

G1桜花賞を目指した前作の感動再び、今回も緑川厩舎の面々は中央G1を目指す事になります!

主人公以外にも女性ジョッキーが登場し、より女性ジョッキーの内実にフォーカスした内容となっているかと思います!

 

今回、フィッシュアイズが目指すG1はもう少ししたらリアル世界でも行われる大レース。今の時期に読むと、面白さが増すかも知れません☆

まとめ

前作の感動再びな、胸が熱くなるサクセスストーリーです!

 

女性ジョッキーや地方競馬に興味がある方にもオススメのシリーズです。

 

このシリーズは面白いので、できればフィッシュアイズの仔の代まで描いていってほしいな〜と思います☆

こんな人にオススメ

ドラマ版・小説版の「風の向こうへ駆け抜けろ」を読まれた方

女性ジョッキーを描いた作品に興味のある方

古内先生のファンの方

月の光に照らされて…「さよならドビュッシー」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

 

誰だか名前は忘れてしまったのですが、ハリウッドスターの方がインタビューの中で俳優という仕事を選んだ理由を聞かれて、

「色々やりたい仕事はあるんだけど、人生は一度きりしかない。でも、俳優ならいくつもの人生を生きる事ができるからさ」と答えていたのが印象的でした^ ^

 

読書も同じ様な楽しみ方ができるんじゃないかなと思います☆

すっごい共感できて感情移入して読める作品と出会えると、作品を通して何だか様々な人生を疑似体験してる様な気がして楽しいです☆

 

本日ご紹介するのは、ピアニストが主人公のミステリーなんですが、

 

私は音感が全くなく、楽器なんてとてもとても…といった感じなんで、楽器ができる人に憧れがあり、たま〜にそんな人生を疑似体験したくて音楽関係の小説を読んでみたりしています笑笑

「さよならドビュッシー」 中山七里(著) 宝島社

あらすじ

ピアニストを目指す16歳の遥。

家族に囲まれ幸せな生活を送っていたが、火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったが全身に火傷を負う。

それでもピアニストを目指し、コンクール優勝を目標にレッスンに打ち込んでいた遥だったが、遥の周囲では不吉な出来事が重なり、ついに殺人事件まで起きてしまう…

 

このミステリーがすごい!」大賞受賞!橋本愛主演で映画化!

一流ミステリー作家への登竜門とも言うべき、このミス大賞受賞作で、橋本愛さん主演の映画版や、黒島結菜さんらが出演するドラマ版が制作されています。

 

実写化はイメージが壊れるから観るか観ないか迷ってしまいますが、音楽ものの作品は小説と違い、実際に楽器の音色が聞こえるという楽しみもあり、ピアニストの清塚信也さんが出演する映画版の方を観てみたのですが、やはり演奏の場面は素晴らしかったです!

 

清塚さんのお芝居は余計な物が無くとっても自然で、

俳優さんではない方が出演した時に有りがちな芝居がかった大袈裟な演技もなく、違和感なく観れましたし、むしろ演技経験無いのにお芝居上手じゃない?と思っていたら、本作の好演がきっかけなのかその後ドラマなどに度々出演なさっているみたいですね!

 

ピアニストとしての清塚さんのファンの方にも是非オススメできる映画でした☆

まとめ

美しい余韻の残る、良質なミステリー小説です。

遥やピアニストの岬など、登場人物の一人一人に魅力があり、世界観に入り込める作品です。

 

ミステリーも、音楽も両方楽しみたい!という方に是非ともオススメしたい作品です☆

こんな人にオススメ

音楽の関わる、良質なミステリー小説を読みたい方

橋本愛さんや清塚信也さんなど、映画版・ドラマ版のキャストのファンの方

中山先生のファンの方

 

”50歳のセカチュー”「平場の月」

 

こんばんは、ちわぷ〜です!

 

自分はどちらかといえば単行本派なのですが、人に作品をオススメする際はなるべく文庫化されてからオススメする様にしています!

文庫派の方も多いですし、その方がお求め安いですからね^ ^

 

なので、以前読んだ作品でも文庫版の発売スケジュールなんかを調べていたりします!

本日は、以前からオススメしたかった作品の文庫版が出ましたので、満を持してご紹介させていただきます☆

「平場の月」 朝倉かすみ(著) 光文社

あらすじ

50歳の青砥は、ある日偶然会った同級生から須藤の死を伝え聞く。

 

離婚して地元、埼玉に戻ってきた青砥は、検査の為に訪れた病院で、売店でパートをしている中学時代の同級生の須藤と再会する。

青砥は中学生の頃、須藤に告白し振られていた。

 

50年生き、様々な経験を積み重ねてきた二人は、少しずつ距離を縮めてゆくのだが…

 

映画化決定!朝霞界隈を知っている方だと更に楽しめる!

本作を手に取ったきっかけは、埼玉県朝霞市界隈を描いたものだという、ただそれだけが理由でした!

 

一時期、朝霞市に仕事で通っていた私にとっては懐かしくて、しかも作家さんが朝霞市在住との事で、色々懐かしい小ネタも出てきそうだし、もうそれだけで読みたくなっちゃったのですが、読んでみたらグッとくる切ない物語で、映画化も頷けるクオリティのものでした^ ^

 

ストーリー的には王道の悲恋物語なので朝霞界隈を知らなくても全く問題なく楽しめるのですが、あの辺一体の事を知っている方だとより楽しめる部分もありました!

 

アサカベーカリーとか懐かし過ぎて、いつも食べていた分厚いパンで作られたメッチャおいしいサンドイッチの事を思い出したり、あれ、この公園ってもしかしていつも仕事終わりに一休みしていたあそこの事かな?

なんて、思い出を振り返りながら読んだりしていました笑

 

まだ詳細は出ていませんが、映画化したら絶対に観に行きたい作品です☆

まとめ

インタビュー記事によると、作者の方は"50歳のセカチュー”をイメージして執筆されたそうです。

50歳という人生を積み重ねて、現実の中で身軽に動けない大人たちの等身大のラブストーリーになっていると思います。

 

須藤の設定がパートタイマーになっていたり、今の時代の現実を淡々と切り取っている部分にも好感を持ちました。

 

青砥と須藤の会話から流れる空気感が心地良く、それが最後には切なさとなってきて押し寄せてきます。

こんな人にオススメ

切ないラブストーリーを読みたい方

映画化決定の話題作を読みたい方

朝倉先生のファンの方

朝霞市界隈に思い入れのある方